ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

竹中氏と三木谷氏が突如反乱?産業競争力会議が安倍政権のアキレス腱に?

 

 これまで官僚主導で予定調和的に進んできた政府の産業競争力会議の雰囲気が変わってきた。きっかけは大胆な規制緩和を求める竹中平蔵慶大教授とインターネットの国有化をブチ上げた楽天の三木谷会長の2人。

 竹中氏は産業競争力会議が開催された当初は様子見のスタンスであった。事務局主導になることを危惧し、事務局内部に民間人を登用することなどを提言していたが、それ以外は目立った動きを見せていなかった。
 様子が変わったのは4月に入ってから。経済特区の創設や官製インフラの民間売却などを盛り込んだ独自の「構造改革プラン」を提唱しはじめたのである。

 産業競争力会議の事務局は基本的に経済産業省の官僚が仕切っている。事務局が提示するプランは特定産業を税金で支援する旧来型の産業政策で、競争政策の強化はほとんど盛り込まれていない。
 民間議員のうち半分は事務局の意向に沿った提言を行っており、これまでは予定調和的に会議が進んできた(本誌記事「産業競争力会議が初会合。だが官僚主導で陳腐な内容に終始する可能性大」参照)。竹中氏は事務局主導の会議進行にいらだちを募らせており、とうとう自説を声高に主張し始めたというわけだ。

 一方、三木谷氏は4月1日に実施されたテーマ別会合において、突如インターネットの国有化を提言し周囲を驚かせた。三木谷氏は「インターネット・アウトバーン構想」を提唱。場合によってはインターネットを国有化し無料で開放するのがもっとも望ましいとした。三木谷氏の提言には、NTTの再編問題も含まれているといわれており、発言の真意をめぐって様々な憶測が流れている。

 事務局は2人の突然の動きに困惑しているのか、4月以降の会議の議事録がなかなか公開されない状況が続いている。
 三木谷氏はともかく、竹中氏に対しては自民党内部にアレルギーが強く、産業競争力会議への参加について反対意見も多かった。安倍首相たっての要望で竹中氏の会議入りが決定した経緯がある。
 基本的に安倍氏の主張は大きな政府の立場であり、官僚統制型経済を基盤にしたものが多い。正反対の主張を持つ竹中氏を会議入りされた真意については、多くの関係者が首をかしげている。何か深謀遠慮があるのか、純粋に議論を活性化させたいという安倍首相らしい無邪気な発想なのかは現段階では不明だ。

 ただ、竹中氏と三木谷氏が露骨に政治的な動きを開始したことで、霞が関は一気に警戒モードに突入している。構造改革に関する議論が再燃すれば、下手をすれば政局にもつながりかねない。竹中氏と三木谷氏の提案は安倍内閣の本当の姿を試す踏み絵になりつつある。

 - 政治, 経済

  関連記事

kokintou
胡錦濤グループが急速に巻き返し。広東省と重慶市のトップは自派で固める

 中国共産党の政治局常務委員の選出で劣勢に立たされていた胡錦濤前共産党総書記のグ …

koyokeiyaku
現実味を帯びる同一労働、同一賃金。結局は若年層正社員の賃下げに?

 これまで導入が極めて難しいといわれてきた、同一労働、同一賃金が現実味を帯びてき …

shakaihoshouseidokaikaku
社会保障制度改革の具体策を議論する会議がスタート。サービス水準低下は不可避

 政府は2014年7月17日、社会保障制度改革推進会議の第1回会合を開催した。こ …

no image
仏の経済危機突入で、欧州最後の公務員天国にもいよいよメスが

 欧州債務危機の本丸として、フランスに市場がターゲットを定めつつある。先日は英国 …

rensen
台湾の国民党名誉首席が習近平総書記と会談。台湾をトラブルメーカーと自称

 台湾の与党国民党の名誉主席で元副総統の連戦氏は25日、中国・北京を訪れ、人民大 …

jdiishikawa
政府がジャパンディスプレイの株売却を示唆。資金繰り悪化との報道も

 政府が全面的に支援している日の丸液晶メーカー・ジャパンディスプレイ(JDI)の …

amari
本来の趣旨とは正反対。法人税減税議論は活力を削ぐ後ろ向きな話題ばかり

 法人税の実効税率引き下げの財源として、企業の赤字繰り越しを縮小する案が浮上して …

meti03
650万円の生活費を2年支給するというベンチャー支援策が登場する背景

 政府が、起業を後押しするために、650万円の生活費を最長で2年間支給する制度を …

ilc
次世代加速器ILCの日本誘致論。背後には4000億円という巨額の土木工事が存在する

 宇宙誕生の謎を研究する次世代加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の日本誘致 …

clinton201601
「まさか」の状況となりつつある米大統領選挙。ブルームバーグ氏出馬検討の報道も

 米国の大統領選挙が大混戦の様相を呈してきている。当初、圧倒的に有利だった民主党 …