ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

仏で大規模な同性婚反対デモが発生。その活動は世代間闘争の様相を呈してきている

 

 フランスの上院は4月12日、同性婚を認める法案を賛成多数で可決した。2月には下院に相当する国民議会を通過していることから、同法案は夏にも発効する見通し。
 同性婚の解禁は、リベラルを標榜するオランド政権の目玉政策のひとつであり、大統領選挙でも主要な公約のひとつに掲げられていた。だがカトリック教徒や保守派などから予想以上の反発があり、法案の成立が危ぶまれていた。

 同性婚の反対派は連日大規模なデモを行っており、フランスの国論は現在二分された状況にある。
 法案は何とか通過させたものの、支持率低迷に悩むオランド政権にとっては、この同性婚問題がボディーブローのように効いてくる可能性も出てきている。

 特に与党が警戒しているのは、同性婚に反対する国民の中に、これまでほとんど政治活動を行ったことのない若年層が数多く含まれている点である。しかも、同性婚への反対運動は、ひとつのきっかけにすぎず、デモが世代間闘争の様相を呈してきていることも、懸念材料となっている。

 デモに参加したある若者は「かつて学生運動・労働運動を行った中高年世代がフランスをダメにした」と叫んでいた。日本でも保守系の思想をもつ若年層の多くが、学生運動の世代を厳しく批判している。中高年世代が既得権益化し、社会からほとんど恩恵を受けることができない若年層がこれに強く反発するという構図はグローバルな現象なのである。

 フランスでは、引退したサルコジ元大統領が再び大統領の座を目指して政治活動を開始するという噂が絶えない。サルコジ氏が本格的に活動を開始した場合、これら保守系の若者を取り込み、予想以上の政治勢力に発展する可能性もある。

 ちなみに60年代後半の学生運動・労働運動は、マルクス主義の体裁を取っていたが、その実態は世代間闘争であった。当時は今とは逆に、保守派が既得権益側でリベラルが挑戦する側であった。
 ただ当時と今の最大の違いは、日本もフランスも経済の拡大が望めない環境にあるという点である。かつては経済成長がすべての問題を解決したが、これからはそのような解決方法が通用しない。中高年世代から何らかの形で所得移転を行わない限り、世代間闘争を完全に終結させることは難しいかもしれない。

 - 政治, 社会

  関連記事

jutakugai
再来年に迫った相続税増税で住宅保有者は大慌て。だが今後も資産課税強化は続く

 2015年1月に迫った相続税の増税が住宅保有層における懸案事項になってきている …

minna
渡辺元代表がまさかの落選。消滅した「みんなの党」出身議員の当落は?

 党の内紛から解党に追い込まれた「みんなの党」の出身者が厳しい状況となっている。 …

putin
ロシアで米国人との養子縁組が禁止に。人権抑圧国家ロシアの恐ろしさ

  人権抑圧国家であるロシアの恐ろしさを象徴するような出来事が起こっている。ロシ …

kidera
中国大使の木寺氏が着任。真紀子大臣に責められ病気になっちゃった人だけど大丈夫?

 丹羽中国大使の事実上の後任となる木寺昌人駐新中国大使が25日着任した。木寺氏は …

uchishiba
無罪を確信していた内柴被告。下半身の行動とは正反対のあきれたナイーブさ

 東京地裁は1日、酒に酔った10代の女子柔道部員に性的暴行をしたとして準強姦(ご …

nichigin
黒田新総裁は実はインフレ課税を狙っている?刺激的な英経済紙のコラムが話題に

 日本のインフレ課税の可能性について指摘したエコノミスト誌のコラムが市場関係者の …

euelection2014
欧州議会選挙で反EU派が躍進。喜んでいるのはプーチン大統領?

 2014年5月22日から25日かけて実施された欧州議会選挙において、反EUや移 …

cybertero
米ITセキュリティ会社が、中国人民解放軍をハッカー首謀者と断定する報告書を公開

 米国の情報セキュリティー会社マンディアントは19日、米国に対するハッカー攻撃の …

no image
決着が付いていない中国の政権争い。誰と誰が揉めているの?

 中国の次期政権をめぐるゴタゴタはまだ解決していないようだ。  党総書記に内定し …

ibukibunmei
伊吹議長の発言に首相周辺が不快感との報道に見る、マスコミと権力の複雑な癒着関係

 政府主催の「東日本大震災三周年追悼式」において、伊吹文明衆議院議長による脱原発 …