ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

注目のアップル四半期決算。減益となった最大の理由は利益率低下と研究開発費の増加

 

 米アップルは4月23日、注目の第2四半期決算(2013年1月~3月期)を発表した。対前年同期比で売上高は11%増加したが、最終利益は18%の減益となった。減益となったものの、1株当たりの利益が予想の範囲内だったことや増配が好感され、同社の23日の株価は前日比7.46ドル高(1.87%上昇)の406.13ドルで取引を終えた。

 売上高は436億ドル300万ドル(約4兆3340億円)と前年同期比で11%増加した。だが最終利益は95億4700万ドル(約9356億円)と18%の減益であった。減益となった最大の理由は、同社製品の利益率が低下していること。
 同社における今期の原価率は62.5%。前年同期は52.6%だったので10ポイント近く上昇したことになる。製造のアウトソーシング先である中国で人件費が高騰していることや、製造を請け負う鴻海精密工業において、劣悪な労働環境が社会問題化したことなどが影響している可能性が高い。

 もっとも利益率の低下は今に始まったことではない。ただ、今期は利益率の低下に加えて、研究開発費や販売管理費も積み増したことで最終利益の減少につながった。
 主力製品「iPhone」の販売は7%増加、「iPad」は65%増加となっており、販売状況は比較的良好である。また研究開発費の増額も、次世代の製品開発につながる動きであり、全体としてはそれほど悪い印象にはなっていない。

 ただ同社は14兆円にものぼる現金(もしくはそれに類する有価証券)を保有しており、巨額現金の使途については依然から投資家の指摘を受けている(本誌記事「株価暴落と現金退蔵問題にも関わらずAppleの株主総会が平穏だったワケとは?」参照)。今回、増配などの還元策は提示したものの、現金退蔵に対する抜本的なプランを提示したわけではない。
 一時は700ドルを超えていた同社の株価は現在400ドル前後まで下落しており、この株価水準は業績だけを見れば割安といえる。だがこれまでのような驚異的な成長に陰りが見えていきた今、現金の有効な使い道が提示できなければ、大幅な株価の上昇は見込めないだろう。

 - 経済, IT・科学

  関連記事

abeseichou02
成長戦略に関する議論を大胆に整理してみると・・・・話は意外と簡単だった

 アベノミクスにおける3本目の矢である成長戦略の迷走が続いている。当初、成長戦略 …

doruen201412
円高要因が見当たらない?。市場ではすでに1ドル=120円以後の展開に注目

 ドル円相場が1ドル=119円台後半まで下落したことで、市場はすでに120円突破 …

toyotaroboto
今更? ウーバー出資や2足歩行ロボット買収など、トヨタに漂う出遅れ感

 トヨタが人工知能やシェアリング・エコノミーへの対応を矢継ぎ早に進めている。だが …

no image
伝説の債券ディーラー藤巻健史氏。予想ハズしまくりでブチ切れた!

 強固な円安論者として有名なフジマキ・ジャパンの藤巻健史氏が、予想をハズシまくり …

genkintorihiki
銀行取引にさらに煩雑な確認作業が必要に。だが肝心の犯罪防止効果には疑問の声も

 犯罪収益移転防止法(犯罪による収益の移転防止に関する法律)が一部改正されるのに …

monhiru
公的年金を運用するGPIFが、とうとう赤字運用に転落。今後の年金は株価次第?

 公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は2016年8月2 …

iphone6s
グーグルに対する挑戦状?新型iPhone広告ブロック機能の影響度

 米アップルは2015年9月9日、iPhoneの新製品を発表する。詳細は明らかに …

ieren02
米FRB、イエレン新体制が始動。大きな障害はないが、新副総裁との関係だけは微妙

 米国の中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)の新しい議長にジャネット・イ …

tokyofukei001
2017年1~3月期のGDPは、とうとう名目値がマイナスに転落。完全にデフレに逆戻り

 内閣府は2017年5月18日、2017年1~3月期のGDP(国内総生産)速報値 …

reitbuild
マイナス金利政策唯一の成果?低迷する日経平均を尻目にREITが絶好調

 日経平均株価の低迷が続く中、REIT(不動産投資信託)が好調に推移している。日 …