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デンプシー米統合参謀本部議長が習近平氏と会談。米中のアジア戦略交渉がスタート?

 

 中国の習近平国家主席は4月23日、中国を訪問している米国のデンプシー統合参謀本部議長と北京の人民大会堂で会談した。
 統合参謀本部議長は米軍の制服組のトップ。習近平国家主席は、中央軍事委員会主席でもあり、今回の会談は米軍トップと中国元首の会談という意味のほかに、米中の軍トップ同士の会談という意味合いもある。

 習氏は「中国は両軍関係の発展を強く重視している。新しいタイプの軍事関係の構築を積極的に進めたい」と述べ、米国が進めるリバランス戦略(中国を念頭にアジアに軍事力をシフトする戦略)に対して一定の理解を示した。

 4月12日から行われたケリー国務長官のアジア歴訪では、中国の王毅外相との会談において米中関係の方向性を示すロードマップの共同作成について話し合われた(本誌記事「ケリー国務長官のアジア歴訪。カギとなったのはやはり中国との会談」参照)。
 今回の会談は、前回の会談を受けて、アジア太平洋地域の安全保障について米中間でどのように構築していくのかを議論する最初のステップになると思われる。

 また、米国のオバマ大統領はこの会談に先立ち、わざわざ習氏と電話会談を行っている。電話会談の内容は明らかになっていないが、北朝鮮問題が話し合われた可能性が高い。
 北朝鮮は度重なる挑発の末、ようやく交渉のテーブルに着く姿勢を示し始めている。今回の会談と、米韓軍事演習の終了をきっかけとして、米朝交渉が本格的にスタートする可能性が高い。

 朝鮮半島の緊張は日本にとって直接的リスクのある問題だが、長期的な視点ではむしろ米中間の交渉の方が重要な意味を持っている。米中間の安全保障に関する交渉は、ズバリ、東シナ海と南シナ海の制海権について、双方がどの程度確保するのかという内容になる。
 日本は現在、東シナ海の制海権を何とか確保しており、それが尖閣諸島を自国領土と主張できる現実的担保となっている。だがその制海権は日本独自のものではなく、米国の海軍兵力によって維持されている。

 米中間の交渉次第では、日本は同海域の制海権を失うリスクもあるのだ(本誌記事「米国がシンガポールに最新鋭艦を配備。その地政学的意味とは?」参照)。中国が同海域の海洋権益について米国にどのように主張し、米国がそれにどう反応するのか、留意しておく必要があるだろう。

 - 政治

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