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高速道路無料化は永久に無理?高速3社が老朽化対策に10兆円必要との試算

 

 高速道路3社(東日本、中日本、西日本)は4月25日、高速道路の老朽化対策に関する有識者委員会の中間とりまとめを発表した。道路の更新や改修に今後、最大10兆円の費用がかかると試算している。

  現在、3社が管理する高速道路の総延長は約8700キロ。このうち開通後30年を経過した古い道路は4割(3200キロ)に達する。さらに2050年には50年を経過した道路が8割になる見込み。

 これらの古い道路を更新(建て替え)もしくは大規模修繕するためには、更新に約2兆円、修繕に3.4兆円の費用がかかるという。
 また、状況に応じて修繕で対応していたものを更新に切り替える必要あり、その場合にはさらに5.2兆円の追加出費が必要になるとしている。これらを合計すると総額は最大で10.6兆円という計算になる。

 これまで全国の高速道路には40兆円を超える資金が投入されてきた。だがこれらの資金は、新しい高速道路を建設するためのもので、その維持費についてはほとんど検討されてこなかった。
 一般に、こうしたインフラ施設は建設費用の20%程度をメンテナンス費用にかける必要があるといわれている。だがこれまで新規建設にすべての資金を投入してきたため、現在維持費に回す資金が足りなくなっている。

 道路3社は、財源を捻出する方法として、有利子負債の期間延長や料金引き上げなどを検討しているという。このまま計画が予定通り進んだ場合には、高速道路の無料化は難しくなる。
 この試算は、100年先も現在と同じ状態で道路を利用することを想定している。過大な負担を回避するためには、道路の破棄という手段も考えなければならない状況といえる。

 この問題は高速道路だけにとどまらない。日本全国の公共インフラが同じ状況に置かれている。1980年代にはGDPの3割がインフラ投資に充てられていたが、現在では2割まで低下している。また2009年にはGDPにおける固定資本形成と固定資本減耗の数値が逆転した。つまりインフラの劣化が新規投資を上回っている状態なのである。日本の公共インフラはこれからすさまじい勢いで劣化が進んでいくことになる(本誌記事「日本の公共インフラはボロボロ?中央道で天井崩落。無謀な公共投資のツケか?」参照。

 本来であれば、発展途上国から成熟国に脱皮する過程で、新規のインフラ投資を抑制し、既存施設の維持に舵を切る必要があった。だが利権を最優先し、無計画に建設を優先した結果が、現在の姿といえる。このツケは国民が支払う以外に解決の方法はない。

 - 政治, 経済

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