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新疆ウイグル自治区で警官とウイグル族住民が衝突。中国政府はテロと説明

 

 中国国営新華社通信は、中国北西部の新疆(しんきょう)ウイグル自治区で4月23日、不審なグループと警官隊の衝突が発生し、少なくとも21人が死亡したと伝えている。

 報道によると、ウイグル自治区内にある民家を地域職員が訪問したところ、不審なグループとナイフなどの武器を発見した。
 職員の通報を受け警官が駆けつけたところ、職員3人は殺されており、民家も燃やされていた。不審者グループと警官隊はその後、激しく衝突し、警官9人が死亡、不審者グループ側も6人死亡し、合計21人が死亡したという。

 新疆ウイグル自治区では、たびたび警察署が襲撃されるなどの事件が発生している。同地区はもともとウイグル族を中心とする少数民族の地域だったが、チベットと同様、中国政府は漢人を大量に入植させる政策を進めている。
 現在では漢族とウイグル族の人口比は逆転しているといわれ、両民族間での緊張が高まっていた。ウイグル族の一部は中国からの独立運動を起こしているといわれ、中国政府は同地域に対する圧政を強化している。

 中央政府は今回の事件について「宗教的な過激主義者によるテロ」であるとし、少数民族とは無関係であることを強調している。ただ同地区は海外のジャーナリストが自由に取材できる環境にはなく、新華社通信が報じた事件の内容もどこまでが真実なのか検証する手段はない。

 新疆ウイグル自治区の人権問題はチベット問題と並んで、国際社会から批判されるいわば中国の弱点であった。だが最近では世界第二位という中国の圧倒的な経済力を背景に、欧米先進国による批判を封じ込める戦略が功を奏している。
 4月25日に中国を訪問したフランスのオランド大統領は、自国企業の中国への売り込みを最優先させ、チベット問題など人権問題についてはほとんど触れることはなかった(本誌記事「中国がチベット問題を黙認するオランド大統領に対して、最大級のもてなしを実施」参照)。逆に人権問題を指摘した英国に対しては冷淡な態度を取り続けるなど、各国への対応に差をつけている。

 - マスコミ, 政治

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