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安倍首相とプーチン大統領の会談は大成功。影の立役者は森元首相

 

 安倍首相は4月29日、ロシアを訪問しプーチン大統領と会談した。焦点の北方領土問題について両氏は「双方に受け入れ可能な解決策を目指して交渉を加速化させる」ことで一致、帰属問題に関する具体的交渉をスタートさせることについて合意した。首相の帰国後、次官級協議が早速開催される。

 日本とロシアの領土問題は戦争終了後、約70年間も棚上げにされてきた。以前、鈴木宗男元衆議院議員(現新党大地代表)を中心として2島返還論をベースに交渉開始を模索した時期もあったが、鈴木氏の政治的失脚によってこれも頓挫していた。

 今回の交渉はプーチン氏からのアプローチがきっかけ。プーチン氏は昨年の大統領選における自身の再選をきっかけに「引き分け」という言葉を使い、領土問題について話し合う余地があることを日本側に伝えていた。
 これを受け森喜朗元首相が2月にロシアを訪問、今回の首相訪ロの地ならしをしていた。今回の安倍首相の外交的成果は森氏の功績によるところが大きい(本誌記事「森元首相がプーチン大統領と会談。北方領土問題における引き分けの真意とは?」参照)。

 プーチン大統領の本音はズバリ、歯舞、色丹の2島返還で日本側と合意に達すること。一方日本側はこれまで4島一括返還を大前提にしてきただけに、2島返還に簡単に応じるわけにはいかないという事情がある。また4島一括返還にこだわる国内世論にも根強いものがある。
 一部からは国後島を含めた3島返還論なども登場しており、このあたりが交渉の最大のヤマ場となる可能性が高い。

 以前であればロシア側が3島返還に応じる可能性はほぼゼロだったが、最近は風向きが変わってきている。ロシアは有数の天然資源産出国だが、米国のシェールガス開発が進展してきたことでその地位が低下しているのだ。
 以前は、ロシアの天然ガスが欲しい日本にとって不利な交渉環境だったが、現在では、より安価な米国産の天然ガスという選択肢が存在している。ロシアはむしろ日本側に天然ガスを売り込まなければならない立場になりつつあり、日本にとってこれほど有利な状況はそうそうないだろう。

 今回の訪ロをきっかけに日露外交が急速に進展する事態になれば、安倍政権の基盤はより強固なものになる可能性が高い。場合によっては長期政権の道筋も見えてくるかもしれない。

 - 政治

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