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崔天凱駐米中国大使が、尖閣問題で中国寄りの対応をするよう米国に要請

 

 尖閣諸島問題をめぐる小野寺防衛大臣の発言に対して、崔天凱駐米中国大使が強い口調で批判を行っている。

 4月29日、米国防総省でヘーゲル米国防長官と会談した小野寺防衛相は、尖閣諸島について中国側をけん制する発言を行った。
 これに対して崔氏は、「日本の政治家による最近の言動は、石を自分の足に落とすような行為である」として日本側を強く非難した。また米国に対しては「第三者がこの問題に関与しないことを望む」として日本寄りの発言をしないよう強く求めた。

 大使が当事者以外の第三国の行為について直接的に批判するのは異例。崔氏の批判は日本に対してというよりも米国に向けられている。

 崔氏は2007年から2009年まで駐日大使を務めた経験もあるが、英語のエキスパートで米国や英国の専門家だ。大使着任前から米国政界において「尖閣諸島は中国の領土である」とするロビー活動を積極的に行っていた。駐米大使への起用も日本と米国の分断工作が念頭にあるといわれている(本誌記事「中国の新駐米大使は駐日大使経験者。中国はいよいよ日米分断作戦開始との噂」参照)。

  ヘーゲル国防長官と小野寺防衛相の会談における米国側の発言は、特に踏み込んだものではなく、領有権については日本にも中国にも肩入れしないというものであった(本誌記事「小野寺防衛大臣とべーゲル国防長官が会談。諜報分野での日米連携強化で合意」参照)。ただ米国政府は以前から、尖閣諸島は日米安保の対象範囲内であるという見解を示しており、今回もそれを踏襲している。
 米国にしてみれば、領有権については何とも言えないが、日本側には実効支配権があると認めているということになる。

 だが尖閣諸島の実効支配権の獲得を狙う中国としては、このような米国サイドの発言が繰り返されると、現状維持という既成事実が積み上がるため都合が悪い。崔大使の発言は、米国側にもう一歩踏み込んだ発言をするよう、強く促しているということになる。

 ホワイトハウスや国務省、国防総省などは、今のところ現状維持の方針を変えていない。だが議会やマスメディアの動きはこれとは少し異なっている。議会やメディア関係者は中国や韓国によるロビー活動の影響を少なからず受けているのだ。
 2月に行われた日米首脳会談に際して議会が作成した日米関係の報告書には、安倍首相は「右翼的ナショナリスト」と定義されており、従軍慰安婦問題(原文では日本皇軍による性奴隷と表現されている)を安倍首相が否定していることで、国際問題を引き起こしていると分析している(本誌記事「米議会が日米関係の報告書を提出。尖閣問題よりも従軍慰安婦が重要テーマ」参照)。

 議員の中には極めて政治的な動きをする人物もおり、議会の動きがそのまま米国の世論ということにはならない。だがホワイトハウスも最終的には議会の影響を無視することはできないことを考えると、日本を敵視する議会関係者の動きには注意が必要だ。

 また日本人はあまり認識していないが、米国の記者会見では、たびたび日本の右傾化問題と米国の対応に関する質問が出ている。メディアによる批判は長いスパンでボディブローのように効いてくる可能性もあり、たかが記者の質問と甘く見るのは禁物だ。
 先日、安倍首相が迷彩服姿で戦車に乗るパフォーマンスを見せたことが議論となったが、海外メディア対策という意味では、日本批判の口実を与える言動は慎んだ方が得策だろう。

 - 政治

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