経済誌のスクープ記事で、アップルの奴隷に成り下がった日本メーカーの実態が明らかに
週刊ダイヤモンドのアップル特集が話題となっている。iPhoneに部品を供給する日本メーカーが、下請けとしてアップルから奴隷のような扱いを受けている実態をスッパ抜いた。
記事によればアジア人を中心にした専門部隊が日本の各下請けメーカーに大量に送り込まれ、財務状況や工場のオペレーションをすべて丸裸にされ、ギリギリの水準まで価格を下げさせられている。
自然災害で納期が遅れそうになったら「カバンにつめて今すぐ飛行機に乗って持って来い」と言われたメーカーもあるという。
世界に誇る日本のものづくりなどはるか昔の話。下請けメーカーとして、すべて顧客(大手メーカー)のいいなりで、働けど働けど儲からない町工場の悲哀そのものである。これはまさに、日本の大手メーカーが国内の下請け工場にしてきた仕打ちとまったく同じことである。
このような実態は業界では広く知られていたが、表に出ることはなかった。それはアップルが実態を外部に漏らさないという秘密保持契約の締結を強要し、違反すると数十億単位の賠償金が発生するから。このような環境下でここまでの情報を引き出せたダイヤモンドの取材陣は賞賛に値する。
かつて日本では「iPhoneの部品は日本メーカーが支えている!」などと暢気なことを言っていた。だが実態は下請けとしてコキ使われていただけであった。
アップルの在庫はわずか16日分。カンバン方式は日本が生み出した知恵と自画自賛していたが、日本のメーカーで16日を達成しているところはどのくらいあるのだろうか?アメリカ人が本気を出すと恐ろしいのだ。
日本はものづくりで完全に敗北したのである。この事実を認めなければ、次の展開はない。ものづくりを誇りに思うのなら、敗北という厳然たる事実をまずは認めるべきである。
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