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従軍慰安婦問題に警鐘を鳴らすシーファー前駐日大使の話には耳を傾けるべきか?

 

 歴代の駐日米国大使らによる日米関係シンポジウムが5月3日、米国ワシントンで開催された。この中で、シーファー前駐日大使は従軍慰安婦問題で旧日本軍の関与を認めた「河野談話」の見直しについて触れ、「(談話見直しは)日本の利益を大きく害することになる」と安倍政権の外交姿勢に対して警鐘を鳴らした。

 このシンポジウムは、元駐日大使のマンスフィールド氏とその夫人を記念して作られたマンズフィールド財団が主催したもので、同財団の設立30周年記念として米国議会内で開催された。
 シンポジウムには、モンデール氏、シーファー氏など歴代の駐日大使や、日系人としては初めて米政府の閣僚になったミネタ元運輸長官などが参加した。
 日本からは佐々江賢一郎駐米大使が参加している。また財団のスポンサー企業のひとつであるアフラック会長のチャールズ・レイク氏(元米国通商代表部日本部長)もモデレータとして参加している。

  シーファー氏は、安倍政権の閣僚による靖国神社参拝に関し「戦没者らに敬意を表したいという感情は理解できる」と述べ一定の理解を示した。だが、従軍慰安婦問題については「正当化できる理由はない」と述べ、いわゆる河野談話の見直しを行った場合には、アメリカやアジアでの日本の国益を大きく損なうと指摘した。

 米国では、韓国や中国が日本の戦争責任をあらためて追及するロビー活動をかなり露骨に行っている。知日派と呼ばれる一部の議員を除くと、米議員の多くは日本に関する知識や関心は持っておらず、人権問題を前面に出したこうしたロビー活動の影響を受けやすい。

 実際、安倍首相が2月に訪米した際には、米議会からは、安倍首相を「右翼的国粋主義者」と定義し、慰安婦問題を「性奴隷」問題と位置付けるかなり衝撃的な報告書が提出された(本誌記事「米議会が日米関係の報告書を提出。尖閣問題よりも従軍慰安婦問題が重要テーマ」参照)。また、一部の議員は、慰安婦問題を非難する決議を再び可決しようと画策している。

 シーファー氏をはじめとする米側のシンポジウム参加者は、何らかの形で日米関係から利益を得ている人物であり、基本的に米国における日本の立場が悪化することを望んでいない。シーファー氏の指摘は、米政界における慰安婦問題の位置付けをかなり客観的に表している可能性が高く、耳を傾ける価値はあると考えられる。

 汚い国際政治の現場では、正論を叫んだところであまり意味はない。日本も同じように汚いロビー活動を展開し、力で形成を逆転するか、現実的な対応をしていく以外に方法はない。

 - 政治

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