オスプレイの反対運動。危険だからダメというが安全ならOKなの?
米軍の垂直離着陸輸送機オスプレイが沖縄の普天間飛行場に配備された。
沖縄県議会は同飛行場に配備されたオスプレイの撤収などを求める抗議決議を全会一致で可決した。また各地でオスプレイの配備に関する懸念の声が上がっている。
だが、オスプレイの危険性を声高に喧伝するあまり、反対運動が自己矛盾な状況となってきている。反対派の多くは「オスプレイが危険だから反対だ」としている。おそらくその方が、一般市民の不安を煽ることができるので好都合なのだろう。
だが「危険だから反対」ということであれば「安全ならば賛成なの?」ということにもつながりかねない。おそらくオスプレイ配備に反対している人の多くは、米軍の駐留そのものに反対なのであろう。そうであれば、オスプレイが危険かどうかではなく、日米安保そのものに反対を表明すべきである。
いわゆる市民運動と呼ばれるものに対して、ホンモノの市民の賛同がなかなか得られないのは、おそらくこのあたりの「いかがわしさ」を多くの人が感じ取っているからだろう。
ところでオスプレイは本当に危険なのか?
実際のところはそれほどでもないというのが多くの専門家の意見だ。オスプレイに限らず、ヘリコプターは飛行機に比べてそもそも危険なもの。日本でも米国でもヘリの事故はかなり多い。構造な複雑なオスプレイには技術的に克服すべき課題が多いのは事実だが、オスプレイがダメなら、既存のヘリは皆ダメになってしまう。
危険だからダメなのか、米軍は何でもダメなのか、そろそろはっきりさせた方がよいだろう。
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