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内閣府でGDPの数字に誤り。先月は財政政策の基礎となる著名論文でもミスが発覚

 

 内閣府は5月7日、3月に発表した2012年10~12期の国内総生産(GDP)の数値に誤りがあったと発表した。当初はマイナス1.3%としていた名目成長率の数字が、訂正後にはマイナス0.5%になる。

 GDPは民間消費、民間投資、政府支出を足し合わせた数字に貿易収支を加えて算出される。当初の発表では、輸出額、輸入額ともに過大な数値が用いられ、結果として貿易赤字が増大してGDPの値を引き下げていた。原因は貿易額の季節調整をする際の計算ミスだという。

 民間エコノミストが内閣府の数字に誤りがあるのではないかと指摘し、内閣府が再度チェックしたことでミスが発覚した。
 当初の計算では貿易赤字は12.9兆円だったが、これが11.9兆円に減額となり、結果としてGDPが約1兆円分上乗せされた。

 通常GDPのような指標は、結果が正確であることを前提に皆がその数値を使うので、元のデータに間違いがないのか意外と検証されにくい。特に官庁が発表するデータは複数のチェックを経ていると多くの人が考えるので、今回のミス発覚は一種の盲点といえる。
 今回のケースとは少々異なるが、先月には、世界的な経済財政政策の基礎となっている論文にデータの誤りがあることが発覚し大問題となった。

 ハーバード大学のカーメン・ラインハート教授とケネス・ロゴフ教授は2010年の論文で、GDPに対する公的債務の割合が90%を超えると経済成長率は急速に低下すると指摘した。両教授の論文は各国の財政政策に採用され、その研究成果をもとに出版された「国家は破綻する」という書籍は世界的なベストセラーになった。
 だが、経済学を専攻するある大学院生が、用いているデータに基本的な誤りがあると指摘した。両教授はこれを認めたが、論文の結論についてはあまり大きな違いはないとした。だが、この研究成果は各国の財政再建目標を設定する際の基礎となっており、経済政策の専門家の間では劇震が走っている。

 学術的な世界では、分析や理論構築に重きが置かれ単純作業であるデータ整備が軽視される傾向がある。今回のミスの原因は不明だが、学生などが下請的にデータ整理や入力を行っていることも多いことから、これに類するミスは実はたくさん存在するとの声もある。
 現在の経済政策は、大量のデータを用いた計量的な分析への依存度が高い。これらの出来事をきっかけに、五月雨式に計算ミスの事例が表面化してくる可能性もある。

 - 経済

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