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欧州の地下経済比率は平均18.5%。日本は比較的良好といわれるが実態は?

 

 VISAヨーロッパは5月7日、欧州の地下経済の規模は2兆1000億ユーロ(約273兆円)にのぼり、GDPに対する割合は18.5%になるとの調査結果を公表した。金額、割合ともに前年よりもわずかに改善しているが、以前として地域差が激しい状況が続いている。

 地下経済とは、徴税の対象とならない非正規の支払いの総称。地下経済と聞くと凶悪犯罪を連想するかもしれないが、必ずしもそうではない。現金払いで記録が残らないちょっとした仕事、店舗での伝票を介さない売上げ、タクシーなど交通サービスでの売上げごまかしなども地下経済に分類される。もちろん売春や各種のヤミ取引も地下経済のひとつである。

 一般に地下経済の比率は、経済危機になっている国や、社会風土が不透明な国で高くなりやすい。欧州ではギリシャなどのように若年層の失業率が60%に達する国もあり、普通の状態では仕事を見つけることができない。
 そのような国では、知人を頼りにちょっとした仕事をもらったりすることで、何とか食いつなぐことになる。これらは皆、地下経済となり税金の補足対象からはずれてしまう。

 欧州では、東欧の地下経済比率がきわめて高く、ブルガリアは31%、クロアチアは28%となっている。南欧がそれに続き、ギリシャ(24%)、イタリア(21%)、スペイン(19%)などが高い。もっとも低いのはスイス(7%)、オランダ(9%)、英国(10%)などである。

 この調査は欧州のみが対象だが、世界最大の経済大国である米国の地下経済比率はかなり低いことで知られている。少し古いデータになるが、2007年時点での地下経済比率は7.2%となっており、スイスと同レベルだ。ちなみに日本は9%程度といわれてる。
 隣国・韓国の地下経済比率は極めて高く、GDPの23%にも達するという。韓国は所得格差が激しく、零細自営業者の比率が高い。このことが補足できない経済規模を拡大する要因になっているという。

 日本もデフレと景気低迷が長期にわたって続いてきたことや、若年層の失業が深刻であることなどから、地下経済の実態はこの数値よりもずっと悪い可能性もある。例えば、日本は消費者金融業を反社会的であるとして事実上の廃業に追い込んだが、その多くはヤミ金融化したといわれている。

 経済の地下化を防ぐ最大の方法は、自由な経済活動の保証と社会の透明化である。既得権益をなくし、ムダな規制を排除していけば、自然と取引はオモテに出てくる。税収は確実に増加するはずだ。もし日本の地下経済をすべてオモテに出すことができれば、50兆円ものお金が課税対象となる。10%が課税されたと仮定すると5兆円になり、消費増税2%分以上に相当する。
 日本の財政は危機的であり、財政的には消費増税は不可避だが、やはりその前にやるべきことがたくさんあるようだ。

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