中国の歴史教育は非常に安直。だが一方で市民の知恵も高まってきている
中国が反日的で安直な歴史教育をしていることはよく知られている。だが一方では、なかなか侮れない市民レベルの知恵も高まってきている。
フランスのTVが報じた中国の小学校の一場面である。
教師 日本と中国はなぜ揉めているのですか?
生徒 日本が領土を奪っているからです
教師 では日本はなぜそのようなことをするのですか?
生徒 石油が欲しいからです
そこで教師が、石油がいかに大事かを力説し、中国の石油採掘労働者で英雄とされている「鉄人・王進喜」(自ら泥水に身を投げ攪拌したという伝説あり)の偉大さについて延々と説明する。反日はもちろんのこと、石油の確保には相当力を入れているらしい(中国は実は石油の大輸入国)。
だが一方で、共産党の宣伝工作が稚拙で、逆に日本に利用されているという辛らつな意見もネットでは見られるようになっている。
共産党が使っていた王進喜の写真には、背景にわずかに石油施設が映っている。中国のある掲示板では、日本のエンジニアリング会社は、この一枚の写真から、油田の場所、埋蔵量まで正確に分析していたという事実を紹介している。
安易にこの宣伝写真を使った共産党は、インテリジェンス(諜報)のセンスがないと批判している。なかなかの分析である。
現在の中国の市民は、共産党の管理下にある。だが、成熟した市民が共産党の手を離れる日は近いかもしれない。こうなると日本はますます難しい舵取りを迫られることになるだろう。
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