ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

パナソニック決算。何とか出血状態から脱却したが、長期的方向性は示されないまま

 

 パナソニックは5月10日、2013年3月期の決算を発表した。売上高は前期比7%減の7兆3030億円、営業利益は3.7倍の1609億円、最終損益は、事前予想と同水準の7543億円の赤字となった。2期連続で7000億円台の巨額赤字となるが、足下では回復の兆しも見られる決算内容となった。

 巨額赤字の主な要因となったのは、約5600億円の営業外損失。その多くは、ソーラー、民生用リチウムイ オン電池、携帯電話事業などにおける減損損失やリストラ費用となっている。
 巨額の損失であることには変わりはないが、この数値は以前から予想されていた水準であり、同社の生産設備縮小がほぼ予定通り進んでいることを示唆している。

 足元の業績には明るさも見えている。同社の全部門において何とか営業黒字を確保し、出血状態からはほぼ脱することができた。
 特に同社最大の懸案事項であったAVCネットワーク部門(テレビやディスプレイなど)で黒字転換を果たした意味は大きい。同社は今年3月、プラズマディスプレイからの完全撤退を発表。これまで同社の足を引っ張ってきたテレビ部門の重荷からようやく解放されている(本誌記事「パナソニックがテレビ事業を大幅縮小。だがこれで何屋さんか分からない状態に」参照)。

 ただこれらの事業再構築によって、同社の製品ラインナップはかなり散漫になり、主力製品が何なのか分からない状態になっている。また黒字化といっても、固定費の削減によるところが大きく、製品の付加価値が向上しているわけではない。
 その状況を反映してか、2014年3月期の業績見通しは、売上高が前期比1.4%減の7兆2000億円、営業利益は55.3%贈の2500億円という、かなり保守的な数字を提示している。新しい事業モデルを打ち出して攻めの経営に転じるという状況からはほど遠い状況だ。
 何屋さんか分からなくなったという、同社のイメージはまだまだ払拭されていないようである。

 - 経済 ,

  関連記事

ichimanen
家計の貯蓄が減っているのに、国債の消化がこれまで問題なく行われてきたワケ

 日銀は2013年12月19日、7~9月期の資金循環統計を発表した。9月末時点で …

bukkajoushou
消費者物価指数はじわじわ上昇。GDP成長は来年も物価上昇を上回ることができるのか?

 総務省は7月26日、6月の全国の消費者物価指数を発表した。代表的な指標である「 …

super01
大手小売の決算見通しから、消費増税の影響を予想すると?

 小売各社の来期の決算見通しが出揃ったことで、消費増税の景気への影響が少しずつ見 …

contena04
中国経済の失速がさらに鮮明に。だが日の丸製造業の凋落が皮肉にも中国リスクを軽減?

 中国国家統計局は7月15日、4~6月期の国内総生産(GDP)を発表した。物価の …

samsungjp
韓国企業や中国企業への人材流出が加速。だがこれを懸念しても何の解決にもならない

 韓国企業や中国企業に日本人が転職するケースが増えてきており、一部から技術流出な …

economistataranai
10~12月期GDP速報値。プラス2.2%と事前予想を下回るが、市場は織り込み済み

 内閣府は2015年2月16日、10~12月期のGDP(国内総生産)速報値を発表 …

no image
日本の富裕層は124万世帯。格差拡大はこれからが本番?

 コンサルティング会社であるボストン・コンサルティング・グループは2014年6月 …

no image
ウォルマートが低所得者向けの新しい金融決済サービスを開始。日本も参考にすべし

 米小売り最大手ウォルマートとクレジットカード大手アメリカン・エキスプレスは、プ …

no image
尖閣問題で自動車メーカーが悲鳴。だけど中国ではもともと売れてないんじゃないの?

 尖閣諸島問題を受けて、日本の自動車メーカーが大打撃を受けていると各誌が報じてい …

ieren201409
FRBが年内の資産縮小開始を表明。米国の量的緩和策は完全終了フェーズへ

 FRB(連邦準備制度理事会)が市場の予想通り、再利上げと年内の資産圧縮開始を決 …