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世界中のATMから46億円を不正に引き出す事件が発生。プリペイド・デビットという盲点

 

 国際的なサイバー犯罪組織が27カ国のATMから約46億円を不正に引き出すという前代未聞の事件が発生した。

 米司法省は5月9日、4500万(約46億円)の現金を不正にATMから引き出したとして、米国人8人を起訴したと発表した。
 犯人グループは、クレジットカード会社のシステムをハッキングし、プリペイド式のデビットカードに関する不正情報を入手した。
 その後、オマーンのマスカット銀行が発行したデビットカードの引き出し限度額を操作し、上限をはずした偽のデビットカードを大量偽造して、世界27か国のATMから現金を引き出した。
 わずか1日の間に4万回近い現金の引き出しが行われたという。

 ニューヨークのマンハッタンだけでも100カ所近いATMから短時間の間に引き出しが行われた。犯人グループは現金のうち何割かを高級時計や貴金属の購入に充て、資金洗浄を実施しようとしていた。検察当局は首謀者の情報について捜査上の問題から公表していないが、米国外にいるとみられる。現金引き出しを行っていた末端の犯人グループの一人はドミニカ共和国で殺害されているという。

 今回の犯行はプリペイド方式のデビットカードが不正引き出しの対象となった。個人の銀行口座やクレジットカードではないので、一般消費者に被害は出ていないが、このことが金融機関にとっては逆に盲点となった。

 個人の口座やクレジットカードの場合、被害が発生した場合の影響は極めて大きく、金融機関やカード会社側もセキュリティにはそれなりに神経を使っている。だがプリペイド式のデビットカードの場合には、金額の上限が決まっていることや、一時的に利用されるだけの商品であることから、金融機関側のチェックが甘かった可能性がある。

 だが、同様の事件が銀行の個人口座やクレジットカードで発生しない保証はなく、金融機関では緊張が走っている。今回の事件では、カードの発行元であるオマーンのマスカット銀行が損失を被ることになるが、同行ではすでに会計上の損失処理を終えている。

 - 社会, 経済

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