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綱渡り経営が続くシャープの決算。すべては銀行の方針次第

 

 経営再建中のシャープは5月14日、2013年3月期の決算を発表した。売上高は前年比ほぼ横ばいの2兆4786億円、営業損益は1463億円の赤字となり、最終損益は5453億円と過去最大の赤字になった。ただこの数字は当初の予定通りで大きなサプライズはない。

 シャープが抱える問題は今のところ、何一つ解決していない。シャープが抱える問題とは、総額2兆近くにも達する巨額の設備投資にもかかわらず、液晶パネルが想定した価格で売れず、生産設備が無価値になってしまうリスクを抱えていることである。
 当初シャープは台湾の鴻海精密工業との資本提携を予定しており、同グループから出資を受ける予定であった。超巨大企業である鴻海との提携によって液晶工場の稼働率と価格が保証され、シャープは危機から脱することができるはずだった。
 だが鴻海側はシャープに対する経営参画と厳しいリストラを要求、シャープ経営陣はこれを受け入れることができず鴻海との提携を破棄してしまった。

 その後、銀行が追加融資することで倒産は免れてきているが、原価率の向上という根本的な状況はまったく改善されていない。第4四半期では各部門とも何とか営業黒字を確保したが、ちょっと売れ行きが下がれば赤字に転落するだけでなく、工場設備の減損を迫られ、一気に倒産の危機に直面する可能性もある。

 現在シャープの資産は2兆円あるが、自己資本はわずかに1300億円。銀行からの融資があるので何とか経営出来ているが、普通ならいつ倒産してもおかしくない水準だ。ちなみに9月には2000億円のCB(転換社債)の償還を控えており、同社は自己資金でこれを返済することができない。近く銀行から追加融資を受けることになる。
 奥田社長は代表権のない会長に、片山会長は辞任となるが、この人事も主力行からの圧力である可能性が高い。

 同社は決算と同時にようやく中期経営計画を策定した。経営計画では、勝てる分野へのシフト、自前主義からの脱却、ガバナンス体制変革の3つを柱としている。具体的な施策としては、スマホ向け液晶への注力、健康環境分野の強化、アジア重視といったものが列挙されているが、同社の状況を根本的に改善する方策は今のところ見当たらない。

 売上げが2兆5000億円、資産規模も2兆円を超える会社としては、同社はあまりにも運転資金が貧弱な状態だ。同社が攻めの経営に転じるためには、増資や債務削減などの資本政策が不可欠となってきている。少なくとも9月のCB償還まで、あまり身動きが取れないだろう。同社の将来は完全に銀行サイドに握られてしまっている。

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