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政府の有識者会議で英語教育推進の動きが活発に。小学校での正式教科格上げ論も

 

 政府の有識者会議において英語教育に関する議論が活発になってきている。これまで教育委員会のあり方やいじめ問題などに関する議論が中心となっていた教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)において、小学校における英語の正式教科への格上げや大学入試でのTOEFL義務付けなどに関する議論が始まった。
 産業競争力会議においても、楽天会長の三木谷氏が英語教育を強化するための緊急提言を行うなど、関連した動きが見られる。

 日本では過去何十年にもわたって英語教育の重要性が叫ばれてきたが、効果的な英語教育は行われてこなかった。
 中国に抜かされたとはいえ、日本はつい最近まで世界第2位の経済大国であり、目の前には巨大な日本語のマーケットが存在していた。現実的に英語に対するニーズは低かったと考えられる。
 最近になって真剣に英語教育が議論され始めているのは、日本の国際競争力が低下してきていることと無関係ではないだろう。

 英語力とGDP成長率にはある程度の相関があることが知られている。つまり英語力が高い国はGDP成長率も高いというわけである。

 国際的な教育関連企業であるEF Education First社が発表している2012年の世界英語力ランキングによると、英語力のトップ5はスウェーデン、デンマーク、オランダ、フィンランド、ノルウェーといった北部ヨーロッパ各国となっている。一方、日本の英語力は世界で22番目。ヨーロッパで最下位レベルのフランス、スペイン、イタリアと近いポジションだ。
 スウェーデンにおける過去5年間の平均成長率は3%、ドイツは1.9%、フィンランドは1.3%となっている。これに対して、イタリア(-0.2%)、フランス(1.4%)、日本(-1.3%)、スペイン(-0.7%)の成長率は確かに低い。

 フランスは日本と同様、英語ができなくても一定以上の経済的地位を確保してきた国の一つだが、最近では英語力の低さが社会問題になっている。フランスでは大学の授業はフランス語で行うことが原則となっているが、その規定の改正が議論されているという。
 一方で、フランス語の軽視は、文化の衰退につながるとして、右派を中心に反対意見も根強い。フランスも日本と同様、製造業の著しい競争力低下が見られることを考えると、国力と英語教育熱というのは反比例するらしい。

 英語教育の是非はともかくとして、どうせ英語をやるのなら、日本もドイツのように製造業が絶好調な時に徹底導入しておけばよかったのかもしれない。だが今となっては後の祭りだ。

 - 社会, 経済 ,

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