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イオンが女性管理職の割合を一気に50%に拡大。女性の社会進出はもはや必然

 

 小売り大手のイオンは5月16日、管理職に占める女性の割合を、現在の7%から2020年までに一気に50%に引き上げる方針を明らかにした。管理職の半数を女性にするのは国内企業では異例。

 同社の女性正社員は2万8000人で全体の4割を占めているが、管理職は約600人程度にとどまっていた。女性が結婚や出産をしても働き続けやすいように勤務条件などを見直すという。

 女性管理職の割合が7%というのは日本企業では平均的だが、国際的に見るとこの数値はかなり低い。
 日本企業において女性管理職の割合が少ないことは以前から指摘されていたが、米国では管理職の4割以上がすでに女性となっているほか、女性の社会進出が遅れているといわれるフランスでも4割に近付こうとしている。

 女性の登用については、社会問題として取り上げられることが多いが、実際には経済問題としての側面が強い。女性の活用がもっとも進んでいる米国も1970年代までは管理職に占める女性の割合は15%前後であった。この数字が急増するのは1980年代に入ってレーガン政権が誕生し、規制緩和とグローバルな競争原理が導入されてからであった。
 つまり男女平等を実現すべきという「理念」からではなく、苛烈な競争によって男女の区別なく採用しなければ業績を維持できない状況に追い込まれたという方が正しい。実際、男女平等レベルと経済成長率には一定の相関が認められる。

  日本はバブル崩壊後、20年にもわたって不景気が続いてきたが、企業の体質転換はなかなか進まなかった。だが日本の経営環境は限界にきており、ようやく従来のガラパゴス体制から脱皮する企業が出始めた。また社会全体としても高齢化が進み、国民全員が働き続けないと社会保障を維持できない状況に追い込まれている。
 安倍首相も「女性の社会参加は経済問題」であるとし、経済界に女性登用を促す発言を行っている(本誌記事「安倍首相が経済界に女性登用を要請。女性の社会進出は経済成長を実現するのか?」参照)。

 日本は好むと好まざるとに関わらず、女性の社会進出を進めざるを得ない状況に追い込まれている。小売業という国民生活に深く関わっている企業において女性管理職の割合が急増するのは、ある種の必然といえる。今後、同じような動きがあらゆる業界で進んでくる可能性が高い。

 - 社会, 経済 ,

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