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日本企業の設備投資がとうとう底入れ?3月の機械受注は大幅増加に

 

 これまで株高による個人消費の活性化ばかりが目立っていた日本経済だが、製造業の状況が好転する兆しが見えてきた。アベノミクスの効果が日本の大黒柱である製造業に波及していくのか市場関係者は注目している。

 内閣府5月17日に発表した3月の機械受注統計は、民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)が前月比14.2%と大幅増となった。受注額の増加は2カ月連続だが、増加率は2005年4月以来最大となった。企業で設備投資を増やす動きが見え始めた。

 機械受注は、国内の機械メーカーが受注した生産設備用機器の金額を集計したもの。企業の設備投資の動向を反映するため市場関係者の多くが注目している。

 日銀の異次元緩和は為替と株価には極めて大きな影響を与えており、日経平均は半年で7割も上昇した。株高を背景に富裕層の個人消費が動き始め、春になってからは消費拡大の裾野が庶民にも広がってきている。
 一方、日本経済の屋台骨である製造業の状況はさっぱりで、受注は落ち込む一方であった。先月発表された2月の機械受注統計でも、前月比7.5%増にはなったものの、想定の範囲内であり、企業の設備投資意欲が大きく変化した兆候は見てとれなかった。

 だが3月の機械受注の伸びは想定をはるかに上回る数値であり、一部からは、アベノミクスの効果が製造業にも波及し始めた可能性を指摘する声も上がりはじめている。
 業種別では、一般機械、IT、自動車という製造業の主要3業種において、まんべんなく増加が見られた(苦境の電機メーカーはマイナス)。それ以外でも、石油・石炭製品、紙・パルプ、IT、食品などからの受注が増加している。非製造業では、金融、運輸業、不動産、ITサービスなどで増加が顕著だった。

 3月が好調だったことから、その反動で来月の実績は下落する可能性がある。内閣府も4~6月期の受注見通しについては1.5%減とマイナスを見込んでいる。だが、下落後の値が、これまでの平均値を大きく下回らないようであれば、企業の設備投資が底を打った可能性が見えてくる。

 もし設備投資の復活が事実であれば、日本経済にとって非常によいニュースといえる。だが来年には、消費増税という大きな難題が待ち構えている。設備投資が復活してくると、今度は景気の腰折れ懸念が台頭してくる可能性が高い。場合によっては、消費増税の先送り論が激しくなってくるかもしれない。

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