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中国にとって日本は最大の投資家。尖閣問題は対中投資にまったく影響を与えていない

 

 中国商務省は5月16日、4月における海外から中国への直接投資は前年同期比0.4%増の84億4000万ドル(約8600億円)であったと発表した。伸び率は小さいが3カ月連続で前年を上回った。中国経済の失速と外国からの投資減少が懸念されていたが、とりあえず中国への投資が継続していることが明らかになった。

  2013年1月~3月期において中国に対してもっとも多額の投資をしたのは実は日本である(香港を除く)。
 日本のこの期間における直接投資額は23億ドル(2350億円)で2位の台湾(17億ドル)、3位のシンガポール(15億ドル)、4位の米国(11億ドル)を大きく引き離している。

 尖閣諸島問題で日中関係は戦後最悪とも言われているが、少なくとも中国に対する投資という意味では、意外にもその影響はほとんど表れていない。
 日本の中国に対する直接投資額は、2011年から急増し年間1兆円を超えている。日本が尖閣諸島を国有化した直後は多少ペースが鈍化したが、結局2012年もほぼ1兆円の水準を維持した。今年の1月から3月までの実績を考えると、2013年も同様の水準が維持されると考えられる。

 日本の中国に対する直接投資のほとんどは、製造業が現地に合弁会社を設立する際の出資であると考えられる。アジア全体の投資額に対する中国の割合は3分の1を占めており、中国以外のアジア地域に対する投資と中国に対する投資の比率はあまり変わっていない。

 近年中国の人件費高騰が叫ばれており、中国を見限ってベトナムやミャンマーなどに進出するケースが多数報道されている。だがより大きな視点で見れば、日本は依然として中国をアジアの経済拠点として位置付けているようである。

 もっとも日本は中国以外にも巨額の対外投資を行っており、中国に対する投資額をはるかに超える金額を米国や欧州に投資している。2012年の米国に対する直接投資額は中国の2.5倍、欧州は2.4倍である。現在中国に対する輸出と米国に対する輸出は拮抗しているが、実際は中国向け輸出のかなりの割合が、最終製品として米国に再輸出されている。
 米国を日本製品の最終消費地、中国をその製造拠点として位置付ける従来からの日本の立ち位置は、そうそう簡単に変わるものではないようだ。

 - 経済 ,

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