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IMFのラガルド専務理事が仏当局から家宅捜索と事情聴取。またもや権力闘争か?

 

 IMF(国際通貨基金)のラガルド専務理事がフランスの司法当局から、フランス経済財政相時代の職権乱用に関して事情聴取と家宅捜索を受けている。本人は容疑を全面的に否定しており、当局が起訴するのかについても現段階では不明だ。

 同じくフランス人でIMFの前専務理事であったストロスカーン氏も性的暴行容疑で逮捕され、理事を辞任している(結局起訴はされなかった)。ストロスカーン氏逮捕の背景には大統領選をめぐる権力闘争があったいわれているが、今回のラガルド氏の疑惑についても同様の声が聞かれる。

 ラガルド氏に対する疑惑は、サルコジ政権当時、サルコジ氏に近い実業家ベルナール・タピ氏によるアディダス社の買収と売却が発端となっている。
 タピ氏はスポーツ用品メーカーのアディダスを買収したが、政界進出するにあたり、当時の国営銀行クレディ・リヨネを通じて全株式を売却した。だがタピ氏は、意図的に株を安く売却させられ、自己破産に追い込まれたとして訴訟を起こしていた。
 タピ氏は勝訴し巨額の賠償金を得たが、国は上訴し賠償金は白紙撤回となっている。その後、国とタピ氏は和解し結局4億ユーロ(約528億円)近くの賠償金を獲得できたが、その際、ラガルド氏が調停に介入してタピ氏に有利になるよう取り計らったといわれている。

 ラガルド氏は元シンクロナイズド・スイミングのフランス代表選手。選手引退後は弁護士として働いていたが、シラク政権で初入閣、サルコジ政権では経済財政相に就任していた。その後、ストロスカーン氏のIMF専務理事辞任を受けて、後任の専務理事に就任していた。

 フランスは米国や英国と異なり、れっきとした革命政府の国である。軍の憲兵隊が警察以上の権力を持ち一般市民を逮捕できるなど、共産圏や軍事政権にも通じるカルチャーがある。政敵を逮捕、起訴するといったこともしばしば行われており、サルコジ前大統領も現在、捜査対象となっている。
 ストロスカーン氏は社会党、ラガルド氏は国民運動連合(保守系)の所属。ストロスカーン氏のスキャンダルは大統領選挙出馬をめぐっての権力闘争との噂がある。ラガルド氏についても、政界復帰が噂されるサルコジ氏に近い人物に関連したスキャンダルであることから、政治的な思惑の存在が指摘されている。

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