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元仏大統領の息子が経営する著名リゾート会社を中国が買収。課税回避が真の狙い?

 

 中国の投資会社である複星国際と、アクサ・グループの資産管理会社アクサ・プライベート・エクイティは5月27日、フランスのリゾート施設運営会社クラブメッドを同社の経営陣とともに買収すると発表した。上場を廃止し意思決定上の制約を少なくした上で、中国でのリゾート展開を加速する。だが背景には、フランスの課税強化措置を回避する狙いもあると考えられる。

 買収提示額は1株当たり17ユーロで、過去1カ月の平均価格に28%を上乗せした水準。買収金額全体では5億4000万ユーロ(約712億円)になる。発表を受けて同社株は22%上昇した。

 クラブメッドは、世界80カ所に滞在型リゾートを展開する国際的なリゾート運営会社。
 オールインクルーシブと呼ばれる、滞在費、食費、飲み物代があらかじめ料金に含まれるシステムを採用していることで有名。滞在中はジェントル・オーガナイザーと呼ばれる案内役のスタッフが付き、アクティビティや夜のパーティまで一緒に楽しむことができる。積極的に人と交流したい人向けのリゾート施設といえる。

 同社は世界不況の影響を受け、業績不振が続いている。2012年の決算は売上高14億5900万ユーロ(約1911億円)だが最終利益はわずか200万ユーロ(2億6000万円)しかない。同社が今後の成長に期待しているのは中国をはじめとする新興市場。2013年夏には中国の景勝地桂林に大型施設をオープンするが、評判は上々だという(写真)。
 同社のこれまでのウリはコスモポリタン的な雰囲気だったが、中国でのリゾートは中国人の好みを反映したものに変更していく方針。中国では今後、少なくとも5カ所のリゾートを展開する予定だ。

 買収後の株主構成は、複星が46%、アクサが46%、同社の社員が8%の構成となる。同社は中国での展開を進めたのち、香港市場に再上場したい意向だという。ちなみに、同社の最高経営責任者(CEO)であるジスカールデスタン氏は、かのジスカールデスタン仏大統領の息子だが、継続してCEOに就任し、株式の一部も保有するという。

 フランスでは、富裕層に対する資産課税や企業に対する課税を強化しており、他国の国籍を取得したり、資産を外国に逃がすケースが増えている。同社の非上場化と香港への再上場は、中国の台頭と、財政難に苦しむフランスの課税強化という2つの側面を象徴したケースといえるだろう。

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