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中国が今度は豪の諜報機関をハッキング?だが政府首脳は中国擁護に必死

 

 オーストラリア放送協会(ABC)は5月27日、中国のハッカー集団が、建設中のオーストラリア情報機関のビルに関する情報を盗んでいたと報道した。
 中国はこれを強く否定したほか、オーストラリアのギラード首相ら政府首脳も中国側を擁護、近年密接になっている中豪関係を壊したくないとの意向が強く働いている。

 報道によると、中国のハッカー集団は、現在建設が進められているオーストラリア安全保障機関のビルについて、フロアの見取り図やサーバー配置図など詳細な情報にアクセスしたほか、外務省からも機密情報を盗んだという。このほか、大手企業に対するハッキングも行っているという。

 ABCの報道について野党からは、事実であれば安全保障上の重大な失態であるとして、政府に対して調査を要請する声が上がっている。だが政府側の対応はむしろ逆だ。

 ギラード首相はABCの報道は不正確であるとして報道を批判、カー外相は「中国がハッキングしたのかどうかについてコメントする気はない」として基本的に追求しない構えだ。また「中国との友好関係がこれで壊れることはない」とも発言している。

 中国を敵視していた前政権とはうってかわって、現ギラード政権は中国との関係を強化している。5月3日には中国の軍事的台頭をむしろ歓迎するとした新しい国防白書を発表し、世界を驚かせた(本誌記事「豪が中国の台頭を歓迎する国防白書を発表。安倍政権の世界観と真っ向から対立」参照)。
 ギラード政権の中国との近さを考えると、中国を擁護する一連の発言は当然なのかもしれない。

 結局のところ、事件の真相は不明だが、仮に中国政府が意図的にハッキングを行っているのだとすると、中国は相手が友好的かそうでないかのかに関わらずこうした行為を行っていることになる。友好国であっても諜報の対象となるのは常識(英国の最大の諜報対象先は米国である)だが、この水準は一線を越えている可能性が高い。
 一方、中国政府の意図とは異なるものであれば、中国国内で各組織の統制が取れていないか、もしくは中国に反発する勢力がオーストリア国内で意図的に情報をリークしている可能性もある。

 来月には習近平総書記が訪米しオバマ大統領と首脳会談を行う予定。会談では間違いなく中国のハッキング問題がテーマに上ると考えられている。米国は軍事力の対中国シフトの要としてオーストラリアを重視している。今回のハッキングに関する報道も、米中首脳会談を前にした情報戦の一部となっているのかもしれない。

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