ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

FRBの量的緩和縮小はいつか?インフレ退治の鬼ボルカー元議長は早期縮小を主張

 

 FRB(連邦準備制度理事会)の出口戦略をめぐって米国市場が困惑している。遠くない時期にFRBが量的緩和策の縮小に動くことはほぼ確実な状況となっているが、それがいつになるのかはまだ不明だ。市場では出口戦略の解釈をめぐって株価が複雑な動きを見せている。

 5月30日のニューヨーク株式市場のダウ平均株価は、前日比21ドル73セント高の15324ドル53セントで引けた。
 だが 同日に発表された米労働省による新規失業保険週間申請件数は1万件増の35万4000件となり、予想外の増加となった。
 本来であれば、株価に過熱感もあるところから、売りの材料となるところだが、30日の相場は逆に上昇した。市場関係者の多くが、労働指標が思ったほど改善していないので、FRBが量的緩和策の縮小を遅らせるのではないかと考えたのである。

 米国の足下の景気は良好だ。2013年1~3月期の実質GDP成長率は2.4%で速報値から多少下方修正されたものの、依然として世界経済の機関車役となっている。長期金利も米国経済の先行きを楽観視して上昇が続いている。一方で、失業率が良好な経済指標に比してあまり改善していないという指摘があり、これが逆に大きな不安材料となっている。

 景気の先行きが明るい状況を考えれば、FRBはすぐにでも量的緩和の縮小を決定したいところだが、量的緩和の縮小を決めれば、株価は一時的に下落する可能性が高く、これが結果的に景気の腰を折らないかバーナンキ議長は心配している。要するに議論が堂々巡りになっているのだ。

 30日の矛盾した株式市場の反応は、この心理を反映した結果といえる。だが悪い経済指標が出ると、緩和延長が期待され、株価がさらに上昇するというチキンレースはいつまでも続くわけがない。決断の時期が迫っていることは間違いない。

 FRBの元議長でインフレ退治の鬼ともいわれたボルカー氏は29日の講演で「緩和解除が後手に回ることはあってはならない」と早期の緩和解除を促す発言を行った。ボルカー氏はガチガチの原理主義者として知られている人物であり、その点は割り引いて考える必要があるが、量的緩和を放置するとインフレの弊害が増大するという指摘は当たっている(ちなみにボルカー氏はFRB議長に就任した1980年代、インフレ抑制を目的に政策金利を20%まで引き上げるという強攻策を実施したことで有名)。

 市場では、FRBが年内をメドに緩和策の解除に動くとの見方が固まりつつあるが、状況は流動的だ。ただ来年以降も量的緩和策が継続すると見る投資家は少なく、年内というタイミングを軸に株価をめぐる神経戦がしばらく続くことになる。

 - 経済 , ,

  関連記事

winepod
ロボット化もここまで来た。高級ワインを家庭で醸造できるマシンが米国で話題

 米国で自家製ワイン製造装置がちょっとした話題になっている。自家製ワインの醸造が …

meti03
650万円の生活費を2年支給するというベンチャー支援策が登場する背景

 政府が、起業を後押しするために、650万円の生活費を最長で2年間支給する制度を …

okane
家計の金融資産は過去最高。ただ、株式シフトはすでにピークを過ぎた可能性も

 日銀は2014年9月18日、2014年4~6月期の資金循環統計を発表した。6月 …

keizaimitoshiimf
IMFの最新世界経済見通し。ドル高と原油安で米国成長率を下方修正

 IMF(国際通貨基金)は2015年4月14日、最新の世界経済見通しを発表した。 …

apuruwochi
アップルウオッチの登場で金の価格形成メカニズムが変わる?

 米アップルは2015年3月9日、腕時計型のウェアラブル端末「アップルウオッチ」 …

sangyoukyousouyrokukaigi
産業競争力会議が初会合。だが官僚主導で従来型の陳腐な内容に終始する可能性大

 政府は23日、日本経済再生本部の下部組織となる産業競争力会議の初会合を開いた。 …

twitter
ツイッターがとうとう上場。同社の収益力について投資家が数字で判断する方法

 米ツイッターが10月7日、とうとうニューヨーク証券取引所に上場した。初値は45 …

doragi02
欧州の長期金利上昇が日本にも波及。日銀に残された時間は少ない

 欧州の長期金利が上昇している。ECB(欧州中央銀行)が量的緩和策の縮小を検討し …

suga
消費税増税の決定は9月9日のGDP改定値で。財務省の筋書き通り数値は良好?

 自民党の参院選圧勝をうけて、消費税増税決定のタイミングに注目が集まり始めている …

no image
中国向けの輸出が失速し北米と再逆転。だが事態はもっと深刻である!

 日本の輸出先としての中国の存在感が低下している。  財務省が発表した2012年 …