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小野寺防衛相が国際会議において「右傾化は誤解」と異例の説明

 

 シンガポールで開催されているアジア安全保障会議に出席した小野寺防衛大臣は講演を行い、日本の右傾化は誤解であるとし、安倍政権は従来の歴史認識を引き継いでいると強調した。

 小野寺氏はまず、日本が防衛大綱の見直しに着手していることを説明、同時に意思決定の迅速化を目指して国家安全保障会議の設立を進めていることや、最終的には憲法改正を目指していることを明らかにした。
 これらの動きに対して、諸外国の一部から「右傾化」であるとの指摘が出ていることを認めた上で、それらの指摘は「完全に誤解である」と述べた。日本は、自由、民主主義、法の支配の基本的な価値観を追求していることも強調した。

 さらに小野寺氏は、野党と地方都市の市長という言葉を使って橋下徹日本維新の会共同代表の発言に言及、「安倍政権はそのような野党党首の発言や歴史認識にコミットすることはない」した。その上で、安倍内閣はアジアの人々に多大な損害と苦痛を与えたという歴史的事実を謙虚に受けとめ、深い反省とおわびの気持ちを表明しているとし、歴代内閣と同じ歴史認識を引き継いでいることを強調した。

 小野寺氏が、かなりの時間を割いて、日本の歴史認識や右傾化について言及したのは、橋下氏の発言が想像以上に国際社会で波紋を呼んでおり、このまま放置すると思わぬ事態を引き起こすとの懸念が安倍政権内部にあったからと考えられる。

 実際、中国や韓国などアジア諸国だけでなく、米国やロシアなどからも、日本の歴史認識に対する懸念が表明されている。下手をすると、太平洋戦争の敗戦国と戦勝国という理屈を通り越した図式が再燃する可能性もあり、そうなってしまうと、日本は論理で交渉することが不可能になってしまう。
 もっとも海外からの批判の直接的なきっかけになったのは橋下氏の発言だが、欧米を中心に安倍政権に対しては発足当初から、国粋主義的との指摘が出ていた。橋下氏の発言はきっかけのひとつに過ぎない。

 日本国内では、海外からの批判に対する反発の声も上がっているが、全面戦争に敗北し無条件降伏したという事実は消し去ることができない。しかも近年、日本経済は著しく弱体化しており、国際的なプレゼンスが低下している。現代の戦争は経済力ですべてが決まってしまうため、経済力の低下は、そのまま防衛力の低下と見なされてしまう。弱いと見なされた国は、あらゆる手段を使って抑圧されてしまうのが、国際社会の現実である。

 日本が相応のプレゼンスを確保するためには、たとえそれが不条理であっても、戦勝国側のロジックに沿った説明を丁寧に行うとともに、圧倒的な経済力を回復する以外に方法はない。竹槍でB-29には勝てないのである。

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