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1~3月期の設備投資は予想通りマイナス。注目は今後発表される最新統計の状況

 

 財務省は6月3日、2012年1~3月期の法人企業統計の調査結果を発表した。それによると、金融機関を除く全産業の売上高は326兆8,637億円と前年同期比5.8%のマイナスに、一方経常利益は6.0%のプラスとなった。減収増益ということであり、依然として全体の規模を縮小し、コスト削減で利益を上げる状況が続いていることが明らかとなった。今後の景気動向の先行指標となる設備投資も前年同期比3.9%減で、マイナスは2四半期連続となった。

 業種別で見ると、製造業の売上げはマイナス6.6%、非製造業はマイナス5.4%と製造業の方が落ち込みが激しい。一方経常利益は製造業が28.3%と大幅なプラス、非製造業は3.2%のマイナスであった。
 製造業は生産の海外移転やリストラを進め、コスト削減を実施することで利益率をアップさせていることが分かる。一方非製造業は価格を値引きして売上げ減少を何とか食い止め、その代わりに利益を犠牲にしている様子がうかがえる。
 賃金は前年同期と比較して0.7%増加しているが、従業員数は逆に減少している。会社に残ることができた人は、多少の賃金アップになっているが、働いていない人は増えたことになる。

 法人企業統計の結果は、すでに公表されている2013年1~3月期のGDPの結果からほぼ予想されていた。国内ではデフレが依然として進んでおり、設備投資の意欲は改善していない(本誌記事「1~3月期のGDPは個人消費が好調で年率3.5%に。ただし設備投資は低調なまま」参照)。
 1~3月期は、まだアベノミクスがスタートしたばかりで大きな効果が出ていないことは容易に想像できる。問題は次の四半期の数字ということになる。

 最新の各種経済統計では、円安の影響で、衣類や光熱費などの値上がりが進むという悪い兆候も見られるが、一方で設備投資が回復する兆しも見られている(本誌記事「これは悪いインフレの兆候?4月の消費者物価指数は庶民にとってトホホな内容」参照)。
 内閣府が5月17日に発表した3月の機械受注統計は、民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)が前月比14.2%と 大幅増となった。増加率は2005年4月以来最大となっており、この傾向が継続していることが確認されれば、設備投資も回復に向かっていると判断されるかもしれない。

 夏には参院選が控えているが、その頃には、アベノミクスの効果の実態もかなり明らかになってきているだろう。

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