ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

中国と米国で相次いで製造業指数が悪化。すべては米国頼みの構造に

 

 中国と米国で製造業に関する良くない指標が続いている。米供給管理協会(ISM)が発表した5月の製造業景気指数 は49.0と4月の50.7から1.7ポイント低下した。指数が前月を下回るのはこれで3カ月連続となった。

 一方、HSBC(香港上海銀行)が発表する中国の製造業購買担当者指数は49.2とこちらも前月を下回った。下落は2カ月連続。
 中国には国家統計局が発表する指標もあるが、こちらはギリギリで持ち直して前月よりも0.2ポイントの上昇となっている。
 ただし、国家統計局の指標は国営企業が中心だが、HSBCは規模が比較的小さい民間企業も含まれている。HSBCの指標の下落幅が大きいことを考えると、全般によくない状況であると判断した方がよいだろう。

 米国経済は第1四半期には比較的好調な伸びを見せていたが、歳出削減などの影響により第2四半期は低迷することがすでに予想されている。指数の内訳を見ると新規受注が落ち込んでおり、歳出削減の影響が出ていることがうかがえる。
 中国は日本を含め各国から輸入を行っているが、中国が最終消費地というわけではない。中国が輸入した部品は中国で組み立てられ、最終製品として米国や欧州に再輸出されるケースが多い。欧州経済は完全に失速状態にあり、米国は歳出削減の影響で第2四半期はあまり多くを期待できない。この状態で中国の製造業指数が低迷するのは、当然といえば当然である。

 昨年までであれば、中国は国内のインフラ建設に多額の資金を投じていたため、製造業には輸出以外の需要も存在していた。だが近年、インフラ建設主導の無理な成長による弊害が目立つようになってきており、中国政府は安定成長路線へと舵を切り始めている。結果的に中国の製造業は米国経済の動向に大きく左右される体質になってしまっている。

 この流れは当然、日本にも影響を与えることになる。日本の中国向け輸出の多くは、実際には中国向けではなく米国向けであり、米国の景気が踊り場に差し掛かると、結局は日本の輸出も減少してしまう。米国は通年で1.9%の成長が予想されており、歳出削減の影響が一段落する年後半には再び成長軌道に乗るとの見方が大半だ。

 ただ、欧州の状況がさらに悪化していることなどを考えると、しばらくは全世界的に製造業が冴えない展開が続く可能性が高い。日本ではアベノミクスの成果として、輸出の増加に期待がかかっているが、少なくとも秋までは過剰な期待はしない方がよいだろう。

 - 経済 , ,

  関連記事

super02
家計の消費支出は3カ月連続でマイナス。安倍政権は10%増税をどう判断するのか?

 総務省は2014年7月29日、6月の家計調査を発表した。2人以上の世帯の消費支 …

krugman
アベノミクスをクルーグマン教授が評価したという記事で触れられなかった事実とは?

 米国の著名な経済学者ポール・クルーグマン氏が安倍政権の経済政策「アベノミクス」 …

orandoshukinpei
中国がチベット問題を黙認するオランド大統領に対して、最大級のもてなしを実施

 フランスのオランド大統領は4月25日、中国を訪問し、北京の人民大会堂で習近平国 …

akachan
日本経済が人口減少の影響を受けるのはこれからが本番

 厚生労働省は2014年1月1日、最新の人口動態統計の結果を発表した。それによる …

gekyutoki
GEが家電部門を売却交渉。金融部門の分離に続いて、インフラ事業への集中が加速

 スウェーデンに本社を置く、欧州の家電大手エレクトロラックスは2014年8月14 …

noma
「世界一のレストラン」で食中毒。だが顧客にまた食べたいと言わせる料理の中身とは?

 世界最高のレストランとして有名なデンマークの「NOMA(ノーマ)」で、ノロ・ウ …

interu
アップル、インテルなどIT各社が良好な決算。世界経済は回復局面?

 IT企業各社による好調な決算が続いている。背景となっているのはグローバルな景気 …

gosuto
佐村河内氏のゴースト問題がホリエモンに飛び火。出版業界は戦々恐々!

 聴覚障害を持つ作曲家として知られていた佐村河内守氏によるゴーストライター問題が …

winepod
ロボット化もここまで来た。高級ワインを家庭で醸造できるマシンが米国で話題

 米国で自家製ワイン製造装置がちょっとした話題になっている。自家製ワインの醸造が …

okane003
日本の対外純資産が円安で大幅増大。今後の課題は投資利回りの向上だ

 財務省は5月28日、2012年末の対外資産・負債残高を発表した。それによると日 …