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貿易戦争?中国がEUの関税措置に対する報復として、欧州産ワインを標的に

 

 中国商務省は6月5日、欧州産ワインが中国で不当に安く売られているという業界からの申請を受け、反ダンピング調査を開始すると発表した。欧州連合(EU)が中国製太陽光パネルに反ダンピング関税を適用することを決めたことへの対抗措置とみられ、EUと中国は貿易戦争の様相を呈してきた。

 EUは5月から、中国製の太陽光パネルについて 反ダンピング関税を課すよう加盟国に提案していた。中国と友好関係にあるドイツは反対していたが、フランスが強く関税導入を主張し、最終的には段階的課税という形で決着した。
 6月6日から8月6日までは暫定的に11.8%の関税が課される。その後、関税は47.6%に引き上げられ、12月まで継続となる。12月以降に、関税措置を恒久化するのかについて最終決定を行う予定。中国政府はこの措置に対して強く反発していた。

 フランスは欧州最大のワイン生産国であり、中国が欧州産ワインに対して関税をちらつかせたことは、太陽光パネルへの関税導入を強く主張してきたフランスへの報復であることは明らか。
 フランスは年間約76億ユーロ(約9900億円)のワインを輸出しており、このうち3億4000万ユーロ(約442億円)が中国向けとなっている。全体の割合からするとまだそれほどではないが、ボルドー地方に限って言えば英国について2番目の輸出先となっている。

 近年フランス産ワインは、カリフォルニア産や南米産など第三国製品に押されており、相対的な味の水準も低下してきている。だが中国人は味よりもブランドを重視するので、無条件でフランス産ワインを買ってくれる中国人はフランスにとって上客となっている。中級以下のワインを生産する業者にとって中国市場は非常に重要な存在だ。

 中国はEUを強く非難しているが、段階的な課税措置となったことに対しては一定の評価をしている。このあたりが双方が譲歩するきっかけになるかもしれないが、今後、交渉が進展するのかは不透明だ。
 中国と欧州の貿易関係は密接で、欧州は中国にとって最大の貿易相手国でもある。欧州の景気後退が深刻化し、中国の景気も先行きが危ぶまれる中の貿易摩擦であり、今後の状況次第では世界経済にも微妙な影響を与えそうだ。

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