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成長戦略への不評から首相サイドが大慌て。首相の本心はどこに?

 

 成長戦略に対する市場の失望が大きかったことで、首相サイドが慌ただしい動きを見せている。これまでの成長戦略は過渡的なものであり、今後も成長戦略が続くとのイメージを演出したい意向だが、成長戦略への不評から慌てて行動したことは明らかであり、首相サイドの読みが甘かったこを露呈する形となってしまった。

 安倍首相は6月9日テレビ番組に出演し、政府の成長戦略について「今まで3回にわたって発表してきたのが第1弾であり、秋には第2弾に取り組んでいく」と述べた。だがこの発言には多くの人が首をひねる結果となってしまった。
 これまで成長戦略は第1弾から第3弾までを断続的に発表してきており、第1弾から第3弾までをひとまとめにして、再びこれを第1弾と呼ぶという論法にはかなり無理があるからだ。

 同日、甘利経済財政相は都内で演説し、「国家戦略特区」に関して、投資減税や規制改革など制度設計を具体化していく考えを明らかにした。また「市場は弱気になっている」と株式市場についても言及、成長戦略を市場がもっと理解するよう求める発言を行った。

 一連の発言は、成長戦略への不評から株式市場から低迷していることを強く意識して行われたものである。だが逆に言うと、首相サイドは成長戦略について市場からこれほどの不評を受けるとは予測していなかったことを示しているともいえる。首相サイドの認識と市場側の認識には当初からかなりの乖離があったことを伺わせる。

 市場がアベノミクスに対して期待をしていたのは事実だが、外国人投資家を中心に、大胆な規制緩和を実施することがアベノミクス成功のカギであると認識していることは以前からはっきりしていた。
 日本はいまだに構造的な不況から脱することができていないが、構造不況はデフレになったことで発生したのではなく、構造不況が続いたことでデフレが深刻化してきたというのが現実の姿である。日本の構造的な問題にメスを入れなければ、持続的な成長が実現できないことは、少なくとも市場ではコンセンサスが得られていたはずである。

 だがこれまで提示された成長戦略は、対症療法的なものがほとんどで、根本的な問題にメスを入れる内容はほとんど盛り込まれなかった。産業競争力会議のメンバーで楽天会長の三木谷氏は、規制緩和が会議の答申としてなかなか取り上げられないことに業を煮やし数度にわたって辞任を示唆したといわれている。これが本当だとすれば、三木谷氏が大騒ぎしなければ、規制緩和に関する項目はさらに削られていた可能性が高いことになる。

 安倍政権発足当初は、首相は基本的に規制緩和に積極的であり、抵抗勢力の扱い方も熟知しているが故に、国家資本主義的なスタンスをあえて強調しているのだという楽観的な見方が多く見られた。だが今回の首相サイドの慌て方を見ると、必ずしもそうではないという見方も出てくる。
 成長戦略の第1弾から第3弾について、市場から高評価を得られると首相が本気で考えていたのだとしたら、世間の首相に対する認識は、根本的に間違っていた可能性がある。

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