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プーチン大統領が離婚をカミングアウト。世界的に進む権力者の透明化

 

 ロシアのプーチン大統領がリュドミラ夫人と離婚したことを明らかにし、大きな話題となっている。また中国では、習近平国家主席と夫人の彭麗媛さんとの不仲説が取りざたされている。

 実は旧共産圏をはじめとする非民主国家では、権力者の私生活に触れることはタブーとされている。
 いわゆる西側諸国でも、イタリアやフランスなど、女性の地位が低く、権威主義的な国では、政治家の私生活、特に女性問題についてマスコミが積極的に報じることは難しい。かつてミッテラン大統領に対し愛人の存在を質問した記者が「だから何なんだ!」と大統領に凄まれた事件は有名だ。

 反対に米国では、大統領の健康診断の結果までマスコミ報道されるほどであり、クリントン元大統領の不倫事件(モニカ・ルインスキー事件)の際には、思春期の一人娘(チェルシーさん)がいるにも関わらず、具体的な性行為の詳細まで議会の調査報告書に記載された。

 その意味でプーチン大統領が私生活のトラブルについて公言したことは、ロシアではかなりの驚きを持って受け止められている。習氏の仮面夫婦説は、ある程度まで言論の自由が保障されている香港メディアでの報道が中心だが、それでも秘密のベールに包まれていたかつての中国の指導者と比べれば、環境の変化は大きいといえるだろう。

 政治家は官僚とはまったく異なる存在である。官僚は政府に雇われたただの労働者であり、理屈の上では、政治家の指示にしたがって実務を行う存在でしかない。仕事さえできればプライベートなどはどうでもよい話だ。だが政治家は法律を作るという強大な権限を有しており、だからこそ選挙で選ばれる。
 法律の中には民法など、道徳やモラルに関わるものもの少なくない。最近では同性愛者の結婚の権利を認める運動が欧州で盛んになっているが、まさにこれは民法の根幹に関わる問題である。

 このように、人間の価値観そのものに影響する法律を作る権限を持った政治家が、どのようなモラルを持ち、どのような私生活をしているのかは、有権者にとって極めて重要な情報である。だからこそ、民主レベルの高い国では、多少下品であっても権力者のプライベートに関する報道は許容されている。
 ロシアや中国はとても民主国家とはいえないが、それでも大きな流れとしては民主化の方向を目指しつつある。権力者のプライベートな情報が報道されているというのは、その流れを象徴した出来事といえる。

 日本は中国やロシアに比べればマシだが、いわゆる先進国の中では民主化レベルが低い国として知られている(多くの日本人は認識していないかもしれないが)。日本における権力者のプライベートはかなりタブー視されており、報道されないものも多い。
 近い将来、日本においても同性愛者の権利や夫婦別姓など新しい価値観をめぐる議論が活発になってくる可能性が高い。有権者が正しい判断をできるよう、立法権限を握る国会議員のプライベートはもっと透明化させていく必要があるだろう。

 - マスコミ, 政治, 社会 , ,

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