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日本人がノーベル医学生理学賞を受賞。日本の研究開発予算が貧弱という話は本当か?

 

 山中伸弥・京都大教授(50)がノーベル医学生理学賞を受賞した。人工多能性幹細胞(iPS細胞)の開発を発表してからわずか6年という快挙である。

 ところで日本人がノーベル賞を受賞すると必ず出てくる議論が、日本の研究開発予算が貧弱であるという話題。果たしてこれは本当なのだろうか?

 確かに絶対額やGDP費などの比較では、米国が世界をリードしており、日本は遅れを取っている。だがその他の先進国と比べて日本は特に悪い水準ではない。
 大学の予算も決して少なくない。科学の分野で世界的に有名なMIT(マサチューセッツ工科大学)の予算は、東京大学よりも少なく、京都大学や東北大学などと同レベルだ。

 だが、問題はその中身だ。予算のうち純粋な研究費に占める割合が、MITでは7割近くを占めるの対して、日本の大学は2割以下だ。さらにMITの研究者の数は東京大学の半分以下である。

 カンのいい方ならもうピンとくると思うが、公共投資などに対するバラマキ予算と同じ構図が大学にもあてはまるのだ。
 要するに日本の大学は余分に人を抱え、ムダなところにばかり予算を使っているのである。国の研究開発予算そのものが貧弱なのではない。

 日本ではよく米国と比べて貧弱だとの議論がなされるが、米国の学会の実態を知っているのだろうか?米国における学者の競争は実にすさまじい。そもそも学者は終身雇用をまったく保証されず、いい研究を継続できなければ容赦なく解雇される。終身雇用になるのは、世界的研究を行った一部の有名学者だけである。
 公務員として一生安泰な日本の学者とはワケが違うのだ。また日本の大学のように、文部科学省が隅々まで利権を張り巡らすようなこともない。

 ある意味、米国の学会は、競争に勝ったものがすべてを得るウォール街よりも露骨な競争社会なのである。成果が上がらなければゴミのように捨てられるだけだ。

 過剰なまでの競争社会があってはじめて、良質な研究が生まれる。日本を米国並みの科学技術立国にという安易な主張をよく聞くのだが、本当に日本人はこのような激烈な競争社会を望んでいるのだろうか?

 日本の優秀な研究者は、続々と外国の研究機関にスカウトされている。山中教授が日本で研究を続けていたことはむしろラッキーと考えるべきだ。
 皆仲良く、和を大事にということであれば、科学技術の成果は諦めた方がよい。

 - 政治, 社会

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