ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

ハフィントン上陸から1カ月。日本のWebジャーナリズムの勢力図はこうなっている!

 

 ハフィントンポスト日本版が鳴り物入りでスタートしてから1カ月強が経過した。思いのほかつまらないという辛口の批評も聞こえているが、米国で大成功したメディアの進出は、日本におけるWebジャーナリズムの起爆剤のひとつであることは間違いないだろう。

 米国に遅れること数年、日本でもWebジャーナリズムが少しずつ盛り上がりを見せ始めている。図は本誌が勝手に分類した現在の日本におけるWebジャーナリズムの勢力図である。実際にはイデオロギーによる分類も必要なのだが、ここはあえてエスタブリッシュメント系と大衆系という乱暴な区分を採用してみた。その方がある意味で全体像が見えやすいからである。

  日本におけるWebジャーナリズムの先鞭をつけたのは、やはりBLOGOSとアゴラの2媒体であろう。BLOGOSはもともとライブドアがスタートしたサービスで現在はLINE社が引き継いでいる。アゴラは池田信夫氏が始めた人気ブログがベースになっている。
 両媒体は基本的にブロガーを集約するという形態で成立しており、オピニオン色が極めて強いという特徴がある。ビジネス系では先行事業者といえる独立系のJBPressも、オリジナル記事が一部あるものの、多くは翻訳記事や識者のオピニオンが主体となっている。日本のWebジャーナリズムは、基本的にオピニオンでスタートし、現在もそれが主流になっているという点で、米国とは少し事情が異なっている。

 この背景には、新聞社という規制に守られた寡占的なニュース・メディアの存在が大きく影響していると思われる。ニュースの作成にはそれなりのリソースが必要となるからだ。
 だがJCastニュースのように、Webに特化して独自ニュースを流す媒体もあり、状況は少しずつ変化してきている。本誌も基本的にはニュース寄りであり、この一角を担っていると自負している。フリーで活躍するジャーナリストの独自記事に定評のあるマイニュースジャパンやオリジナルの経済分析記事が主体のThe Capital Tribune Japanといった媒体も出てきている。

 ジャーナリズムは、①1次ソースをあまり加工せず報道する時事ニュース、②1次ソースをもとにある程度の分析や見通しを付け加える深掘り型のニュース、③オピニオン主体のコラム、④時間をかけて特定テーマの取材を行う調査報道の4つに大別することができる。

 これまでのところ、既存媒体の世界では圧倒的に①が主体となっており、逆にWebの世界ではリソースを必要としない③が中心であった。だが①のニュース・ソースをもとに③でオピニオンを展開するという流れでは、ニュース・ソースが限界されており、これ以上の多様性は追求しにくい。日本のWebジャーナリズムが健全に発展していくためには②の分野の事業者が増えてくることが望ましい。そして最後の④については、これこそが既存のマスメディアの目指すべき道と考える。

 その意味で、本誌としてはハフィントンポストに対し、もう少しニュース性の強い展開を期待していたのだが、今のところそのような方向は目指していないようだ。
 一方で、興味深い動きも見え始めている。一般ニュース・サイトとしては圧倒的な強さを誇るヤフーがニュース・ページの改革に乗り出している。既存大手マスコミのニュース転載で占められていたニュース欄について、ニュース専門部隊を独立させるとともに、ニュース提供事業者の枠を広げ始めているのだ。ジャーナリズムの価値観とは無縁と思われていた同社だが、今後の展開次第では、変革の立役者となるかもしれない。

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