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中国で大学入学試験が終了。だが無事入学、卒業しても厳しい就職難が待ち受けている

 

 受験競争が激しい中国では、大学の入学試験は一大イベントとなっている。6月8日に全国統一大学入学試験(高考)が終了し、受験生はホッと一息ついている。

 だがせっかく苦労して大学に入っても、現在の中国における大学卒業者の就職はかなり厳しい。
 麦可思研究院がまとめた報告書によると、中国では過去最悪の就職難となっており、2013年度の大卒就職内定率はわずか35%と前年度と比べて12ポイントも低下している。また大学院(修士)卒の就職内定率はさらに悪く26%と前年比11ポイントの低下である。
 中国では大学を卒業しても職にありつけず、集団で生活する「蟻族」と呼ばれる若者の存在が社会問題となっている。北京だけでも約16万人の蟻族がいるといわれ、その多くが10平方メートル以下の劣悪な環境で暮らしている。

 中国の大卒者の状況は容易に解決しない可能性が高い。中国は近代化が急激に進み、過去10年で大学生の数は3倍以上に増加した。中国のGDPは過去10年間で4.2倍に増えているが、GDPの半分がインフラ建設でカバーされており、成熟した国内市場の整備はまだまだこれからである。
 中国は毎年700万人近くの大卒者を社会に送り出しているが、この数は日本の13倍近くにのぼる。中国の人口は日本の約11倍(公式統計上)しかなく、しかも1人あたりのGDPは日本の10分の1という現在の生活水準を考えると、中国の大学生数は過剰である。

 だが社会が先進国化していく過程では、高等教育、大学教育の修了者と社会的ニーズのミスマッチは多かれ少なかれ発生する問題である。日本の大学進学率は(定義の方法にもよるが)先進国の中では低く、かつ50年かけて高度成長を実現してきたので、この問題がそれほどのインパクトを持っていないだけである。

 中国はこれまでの2ケタ成長から7%台の安定成長を実現する政策に舵を切り始めている。大学進学者に対してそれにふさわしい就職先が十分に整うまでには、もうしばらく時間がかかるだろう。その間、就職できない若者の存在は社会の不安定要素として残り続けるだろう。

 - 社会, 経済 ,

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