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ソフトバンクによるスプリント買収が確定的に。だが本当のヤマ場は買収後にやってくる

 

 米携帯電話3位のスプリント・ネクステルの買収をめぐり、ソフトバンクと争っていた米衛星放送大手ディッシュ・ネットワークが、事実上買収を断念する声明を発表した。このまま進めばソフトバンクによる大型買収が成立することになる。

 スプリント買収を巡っては、ソフトバンクが昨年10月に、201億ドル(1兆9000億円)で同社を買収する発表していた。だがディッシュ側が255億ドルを提示し買収合戦となったため、ソフトバンクはさらに15億ドルを上積みし、216億ドルの買収案を提示していた。

 スプリント側はソフトバンク案の受け入れを表明すると同時に、ディッシュに修正案を提出するよう求めていた。6月18日、ディッシュは修正案の提出を見送ることを表明したため、ソフトバンクによる買収がほぼ確定的となった。スプリントの臨時株主総会でソフトバンク案が承認されれば、買収が正式に成立することになる。

 ソフトバンクにとってはようやくひと安心ということろだが、本当の勝負は買収が成功したその後である。スプリントは全米3位の携帯電話会社だが、売上高はソフトバンクと同水準の約3.4兆円。企業規模において1位のAT&T(売上高12兆円)と2位のベライゾン(売上高11兆円)に大きく水をあけられている。また、2007年以降6期連続の赤字となっており、業績は低迷している。2012年12月期の赤字額は約4100億円で、ソフトバンクの当期利益である2900億円を上回っている。買収後すぐにリストラに着手し、収益を改善させないと、ソフトバンクの業績に大きく影響することになる。

 買収には銀行からの融資と社債発行で調達する2兆円の資金を充てる。現在、同社には1兆4000億円の現金があり、当面の資金繰りは問題ない。
 スプリントの業績回復に成功すれば、ソフトバンクは一気にグローバルな通信会社に躍り出ることになるが、逆に買収に失敗すれば、大きな痛手となることはほぼ確実である。

 市場からはムチャな買収との声も聞かれるが、一方で米国の巨大企業を買収するためには、このくらいのリスクは覚悟しなければならないとの現実的な意見もある。米国という世界最大の市場に展開する有力通信会社が、健全な経営状態で身売りすることなどあり得ないからだ。米国市場への足がかりを得るためには、多少問題のある企業の買収以外に方法はないというわけである。

 ソフトバンクの孫社長はこれまでもボーダフォン買収など、当初はムチャといわれた多くの案件を成功に導いてきた。だが今回の買収は、リスク慣れしている同社と孫社長にとっても、相当なプレッシャーとなる案件であることは間違いないだろう。

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