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バーナンキ議長がとうとう量的緩和策終了に言及。いよいよ本格的なドル高が始まる?

 

 米FRB(連邦準備制度理事会)のバーナンキ議長は6月19日、連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に記者会見を行い、量的緩和を終了させる見通しであることを明らかにした。量的緩和策第1弾(QE1)のスタートから数えると、5年近くにわたって継続した非常措置はようやく出口を迎えることになる。

 バーナンキ議長は、米国経済がこのまま順調に推移すれば、来年9月には量的緩和を終了させるとの見解を示した。時期を逆算すると早ければ今年9月のFOMCで正式に緩和縮小を宣言し、年後半から国債の買い入れペースを縮小することになる。

 米国経済は、歳出強制削減の影響や欧州と中国の景気後退によって踊り場に差し掛かっているが、総じて順調に推移している。米国の第1四半期における実質GDP成長率は年率2.5%、通年でも2.0%程度の成長が予想されている。
 唯一の懸念材料は失業率で、現在7.6%とまだ高めの水準だが、バーナンキ議長は「景気の下振れリスクは低減していると」として、米国経済の現状に強い自信を示した。

 もっともバーナンキ氏自身は、もう少し景気回復を見極めてから緩和縮小に入りたというのが本音といわれる。だが、量的緩和策をこれ以上継続することへの弊害も指摘されており、市場の予想通り、出口戦略に舵を切ったと考えられる。

 量的緩和策の縮小が実施されると、長期金利の上昇とドル高がもたらされることになる。実際、債券市場は下落(金利は上昇)し、為替はドル高に振れた。ダウは下落となったが、量的緩和の縮小は順調な景気回復を反映したものであり、そのシナリオが正しければ、最終的には株価も上昇してくるはずである。
 実際、量的緩和の縮小といっても、国債などの購入をストップするだけで、これまでに購入した資産の売却は長期にわたって行わない方針だ。量的緩和の縮小が市場に与える影響は最小限にとどまる可能性が高い。

 量的緩和策の終了はアベノミクスにとっては追い風となる。円安が進めば海外からの投資収益が増加し、経常収支が改善する。また輸出についても数量の落ち込みを円安がカバーしてくれることになる。何より、米国は日本にとって最大の輸出先であり、好調な米国経済は日本の輸出産業の業績を後押しするだろう。
 量的緩和策をスタートさせたばかりの日本と景気低迷が続く欧州は引き続き、緩和的なスタンスを継続せざるを得ない。米国の状況は世界で突出することになり、国際的な資金の流れは大きく変わる可能性がある。場合によっては予想以上にドル高(円安)が進むことになるかもしれない。

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