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日本のバブル退治を彷彿?中国が景気減速にもかかわらず、金融引き締めを強行

 

 中国経済が正念場に差し掛かっている。香港上海銀行(HSBC)が6月20日に発表した6月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)48.3となった。50を割った前月からさらに低下しており、9カ月ぶりの低水準となった。

 中国のPMIには国家統計局が発表する数値とHSBCが発表する数値の2種類がある。国家統計局の数値は国営企業が中心だが、HSBCの指標には比較的規模の小さい民間企業も含まれる。
 国家統計局の6月のPMIはまだ発表されていないが、HSBCの指標が低下していることは、中国全体の景況感が悪化していることを示している。

 中国は事実上の統制経済であり、本来であれば、金利を低めに誘導して景気刺激を行いたいところだが、現在の状況はまったく逆になっている。
 中国の短期金利が13%台まで急上昇しているのだ。当局は金融引き締めを継続する意向で、このままでは資金調達に行き詰まり、経営破綻する企業が出てくる可能性もある。

 これだけの厳しい環境で金融引き締めを行うのは、影の銀行と呼ばれる非正規金融システムの撲滅と不動産投機の抑制が背景にあるといわれる。
 中国は十分な金融システムがまだ整備されておらず、私的ローンやノンバンクによる融資などで資金を調達するケースも多い。また表に出ない資金が不動産の投機に回り、不動産価格が高騰するなどの問題が発生している。当局は景気が失速するリスクを冒してまでも、これらを排除したい意向だ。

 当局の強硬な姿勢は、80年代後半から90年代前半、バブル経済を強引に終了させた日本の姿と重なる。日本でもノンバンクの融資拡大による不動産投機が社会問題となり、庶民が土地を買えなくなるとの批判が高まったことから、当局は強引な引き締めを行った。その結果、不動産市場と株式市場は大崩落し、現在まで続く長期不況を招いた。

 もちろん中国当局は日本の事例を非常によく研究しており、日本のような状況にならないための方策はある程度検討しているかもしれない。だが従来の政策の膿を出すという政治的状況が優先されてしまえば、政策のバランスは容易に崩れてしまう。
 米FRB(連邦準備制度理事会)のバーナンキ議長は6月19日、とうとう量的緩和の縮小に言及した(本誌記事「バーナンキ議長がとうとう量的緩和終了に言及。いよいよ本格的なドル高が始まる?」参照)。世界中に拡大したドルが米国に戻ってくることが予想され、中国を含む新興国の株価は軒並み下落している。時期が時期だけに、中国からの資金引き上げ観測が高まり過ぎると、本当に資産価格の暴落を招きかねない。

 リーマンショックの影響を最小限にかわしてきた中国経済が、ここ10年では最大の試練を迎えているといえる。習近平体制における経済問題の責任者である李克強首相の手腕が問われている。

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