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南アフリカ、反アパルトヘイト運動の英雄マンデラ元大統領の光と影

 

 南アフリカ政府は6月23日、入院中のネルソン・マンデラ元大統領(94)の容体が悪化し、危篤状態になったと発表した。マンデラ氏は、ここ数年入退院を繰り返しており、現在は肺感染症の再発で再び入院していた。

 マンデラ氏は南アフリカにおける反アパルトヘイト闘争のリーダーで、初の黒人大統領となった人物。1993年にはノーベル平和賞受賞者を受賞している。
 マンデラ氏が大統領に就任する以前の南アフリカは、アパルトヘイト(人種隔離政策)政策を掲げ、黒人など有色人種には十分な人権が認められていなかった。
 その方針は徹底しており、経済大国であった日本からのビジネスマンなどは「名誉白人」という扱いを得ることで、ようやく南アフリカの白人層との商談ができるという状況だった。

 弁護士であったマンデラ氏は反アパルトヘイト闘争を実施、国家反逆罪で投獄され、30年近くに及ぶ拘留生活を余儀なくされた。その後、国内でアパルトヘイト反対運動が盛り上がり、国際的な非難も高まったことから、当時のデクラーク大統領がマンデラ氏の釈放を決定。全人種共通の暫定政府樹立を宣言し、その後に行われた選挙でマンデラ氏は黒人初の大統領に選出された。

 南アフリカはその後、めざましい成長を遂げ、マンデラ氏は英雄としてたたえられている。だが、南アフリカでは、マンデラ氏に近い一部の黒人層が南アフリカの富を独占する一方で、その恩恵にあずかることができない貧困黒人層という、同一人種間の新しい差別問題も発生している。マンデラ氏は確かにアパルトヘイトを終結させた英雄ではあるが、南アフリカが抱える問題を完全に解決したわけではない。

 激しい貧富の差という新しい差別問題をどのように解決していくのか?これがマンデラ氏の次の世代に託された重い課題といえるだろう。

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