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政府税調がスタート。だが重要な権限はすべて党税調に握られている

 

 安倍政権発足後としては初めてとなる、政府税制調査会(政府税調)の第1回目の会合が6月24日、首相官邸で開催された。グローバル企業の課税逃れ問題やマイナンバーの活用といった中長期税制改革について議論する。だが、減税の具体的な内容など、税制における中核的な部分はすべて党の税制調査会(党税調)が権限を保有しており、政府税調は長期的、大局的な議論のみに制限されることが明確になった。

 税制調査会には政府が主催する政府税調と党が主催する党税調の2つがある。
 どのような種類の税金に対して、どの程度の増減税を行うのかは国家権力の中枢であり、もっとも政治的なテーマといえる。
 消費税の導入や法人税の減税といった大きな話はもちろんのこと、個別に法人税を優遇する特別措置は100種類以上存在しており、税法のサジ加減ひとつで、どの業界を潤すことができるのか簡単にコントロールすることができる。
 このため税に関する事項は、与党にとって最大の政治利権の一つとなっている。

 このためかつての自民党政権では、これらの重要事項はすべて党税調が決定し、政府税調にはほとんど権限が与えられていなかった。かつて党税調のドンといわれた山中貞則氏は「政府税調を軽視している」との批判に対し、「軽視しているのではない。無視している」と言い放った出来事はあまりにも有名だ(本誌記事「自民党が伝統の「党税調」を復活。だがかつての税制利権につながるとの声も」参照)。
 その後、政権交代で民主党政権になり、税に関する議論は政府税調に一元化された。だが民主党が主導した政府税調はうまく機能せず、迷走が続きほとんど機能しなかった。

 今回の会合で挨拶した安倍首相は「具体的な税制措置については、与党の税制調査会において議論が行われることとなります」と述べ、政府税調には重要な権限がないことを明言した。これによって、かつての自民党の伝統的なスタイルである党税調主導の税制論議が名実ともに確立したことになる。

 議会制民主主義において、政権与党が議論の主導権を握り、それを国政に反映させることは正しいことである。だが、党税調が、税の特別措置という利権の温床であったこともまた事実である。

 安倍政権は自身が掲げた成長戦略が市場から評価されていないことを憂慮しており、秋には企業減税を柱に、追加的な成長戦略を打ち出す方針を示している。これから夏にかけて、減税の具体的な中身をめぐって、多くの駆け引きが行われることになるが、これらの複雑な交通整理は、党の税調が仕切ることになる。

 政局的な意味でも、政策的な意味でも、党税調における議論の行方には要注目といえそうだ。

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