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これが本当の「森ビル」だ!ミラノで全面緑化ビルが完成したが、その前途は多難?

 

 イタリアのミラノで建設が進められていた全面緑化型の高層ビル2棟がこのほど完成した。低い方は高さ約80メートル、高い方は110メートルとなっており、建物の全面に緑化が施されている。使用された樹木は大型が480本、中型が250本、灌木が5000本にのぼるという。また枝のない植物(草など)は11000本用意された。

 目的はもちろんヒートアイランド現象の軽減だ。全面が樹木で覆われていると、外部との温度差を2℃緩和でき、夏と冬の冷暖房費を30%軽減できるという。
 建物の南側と北側では日照時間や風向きも異なるため、植物学者を交えて2年にわって最適な樹木の選択が行われた。
 また大量の土が建物に乗せられることになるため、通常の土では荷重オーバーになってしまう。このため重量が半分以下の特殊な土が用意されたという。

 完成直後の現在は、樹木の大きさはそれほどでもないが、順調に育ってくれば予想図のようなまさに「森」のビルが出来上がることになる。

 緑に囲まれ冷暖房費も安上がりといいことずくめのようだが、必ずしもそうとは言い切れない部分もある。緑化ビルはメンテナンスに多大な労力がかかることで知られているからだ。
 土には大量の水や微生物が存在しており、これがコンクリートなどの躯体を浸食する。定期的にレベルの高い修繕を行っていかないと、建物が劣化してしまうのだ。このビルは土の重量について考慮されているとはいうものの、不必要な重量物を高層建築物に乗せていることに変わりはない。構造力学的見地からはあまりおすすめできないという設計者もいる。
 ビル緑化が叫ばれながら、既存ビルの緑化がなかなか進まない背景には、こうした水による劣化と構造上の問題が横たわっているのだ。

 このほか、長期的には、鳥が大量に住み着いたり、害虫が発生したりと、想定されなかったトラブルが起こる可能性もある。
 新しく斬新なプロジェクトであり、あまりリスクばかり列挙してもはじまらないが、完全緑化ビルが今後、どのような課題を抱えるのかのお手本という意味では、非常に意味のあるプロジェクトといえそうだ。

 - 社会, 経済 ,

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