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中国叩きの一方で大統領自ら投資を呼び込み。フランスのちぐはぐな対応はまるで日本?

 

 フランスのオランド大統領は中国の実業家グループをエリゼ宮(大統領府)に招き、大統領みずから中国企業によるフランスへの投資を呼びかけた(写真)。
 だが現在、中国とEUは中国製太陽光パネルの関税をめぐって激しく対立しており、しかも中国側をダンピングであると避難している急先鋒はフランスである。フランスのちぐはぐな対応に、中国の実業家グループは少々困惑気味だ。

 中国の実業家グループは、世界的コンピュータ企業であるレノボ創業者、中国最大のネット企業アリババドットコム創業者などそうそうたるメンバー。オランド大統領は彼らを前に「フランス側は中国からの投資に何の恐怖心も抱いていない」と、投資を歓迎する意向を強調した。

 中国はドイツとの友好関係が深く、貿易額も大きい。ドイツのメルケル首相は何度も中国を訪問しているが、チベット問題など中国が嫌がる問題についてドイツ側はすべて棚上げするという親密ぶりだ。
 ドイツに先を越されているという批判から、オランド大統領もそれに倣って2013年4月に中国を訪問、チベット問題には一言も触れずフランス製品の売り込みに終始した。中国との関係を重視しつつも、中国訪問に併せてダライラマ氏と会談したサルコジ前大統領とは異なる姿勢を強調している(本誌記事「中国がチベット問題を黙認するオランド大統領に対して最大級のもてなしを実施」参照)。
 最近のオランド大統領は中国のことが頭から離れないのか、6月7日に日本を訪問した際は、日本のことを中国と言い間違えて、関係者を真っ青にさせる「事件」も起こしている。

 だがフランス国内の雰囲気はこれとはだいぶ異なる。フランスはドイツと異なり、海外からの投資の受け入れには消極的だ。労働組合などの既得権益層が強く反対しているからだ。太陽光パネルの価格について、フランスが激しく中国を攻撃するのも同じ理由からだ。
 最近ではフランスの著名リゾート会社が中国資本に買収されるなど変化も出てきているが、まだまだ外国アレルギーが強い状況であることに変わりはない(本誌記事「元大統領の息子が経営する著名リゾート会社を中国が買収。租税回避が真の狙い?」参照)。

 オランド大統領と会談した中国の実業家は、フランス市場に対して、政府の過剰な規制や硬直化した雇用制度に懸念があると述べている。
 外国に対する排他的な姿勢の一方で、大統領自ら投資を依頼するという、ちぐはぐな姿勢は、お金は欲しいが、自国市場は守りたいというフランス人の心理状態をよく表している。これは日本社会にもよく見られる現象である。

 外国資本は受け入れるのか受け入れないのか、対外的にはっきりさせないと、結果的に外国からの資本を効率良く集めることはできない。いい悪いは別として、お金のためなら大方のことには目をつぶるというドイツの方がスッキリしているし、実際に投資や貿易も活発になる。
 フランスや日本は国内の権益維持に敏感である一方、「自国方式は譲れないので、外国からのお金は来ていただかなくて結構です」と言い切れないところに、何ともいえない悲しさがある。

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