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中国の金融引き締めで追い込まれる中小銀行。当局は大混乱覚悟で続行か?

 

 中国で短期金利が急騰し、流動性が逼迫している問題で、中央銀行にあたる中国人民銀行は6月25日、資金不足に陥った銀行に対し、必要に応じて資金を供給を行う考えを示した。これによって、短期金融市場は落ち着きを取り戻し、市場安定という意味では一段落した。
 だが中国の銀行、とりわけ中小の銀行における資金調達の根本的な問題が解決したわけではなく、以前として爆弾を抱えたままの状態であることに変わりはない。

  中国の中小銀行は、預金だけで十分な経営を行うことはできず「理財商品」と呼ばれる短期金融商品を発行して資金を確保している。
 資金不足が顕著になってから、各銀行は次々に7%台という高利回りの商品提供を開始、中には10%を超えるものまで登場している。中長期の商品よりも短期の商品の方が金利が高いという異常事態となっている。
 これらの理財商品を購入しているのは多くが一般市民である。今回の金利急騰局面においては、銀行の経営危機を心配するどころか、高金利に惹かれて顧客が殺到、商品が飛ぶように売れているというのが実態である。

 中国当局は今回、ある程度の流動性供給を表明したものの、基本的には大きな混乱があっても、こうした無理な資金調達は縮小させたい構えだ(本誌記事「日本のバブル退治を彷彿?中国が景気原則にも関わらず金融引き締めを強行」参照)。
 今回の資金逼迫の背後には、不動産投機というやっかいな問題が存在している。銀行がこのところ短期の金融商品を乱発しているのは、過去に販売した金融商品の償還ピークを迎えているからである。金融商品の発行で得られた資金の多くは、最終的に不動産への投機に回っており、不良債権化している可能性が高い。

 当局が金融引き締めに乗り出しているのは、高金利の金融商品でとりあえずの資金を確保するという、その場しのぎの延命策を銀行にこれ以上取らせないためである。
 今回発行した金融商品の償還を迎える時期にはまた同じような状況に陥るが、次回はさらに商品の発行が困難になってくるだろう。当局としては、徐々に資金調達の手段を制限していき、不良債権の処理を促していく方針と思われる。

 もちろんこのやり方は、一歩間違えれば、一気に金融パニックを引き起こす危険性もある。だが不動産投機によって発生した大量の不良債権は、ハードランディングとなっても徹底的に処理するという当局の姿勢に当面変更はなさそうだ。

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