ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

総選挙を前にギラード首相が退陣しラッド元首相が復活。日本への対応は変わるのか?

 

 オーストラリアの与党労働党は6月26日、党首選を行い現党首のギラード首相がラッド前首相(写真)に破れた。9月に行われる総選挙を前に、首相が退陣するという異例の事態となった。

 ギラード氏とラッド氏は、以前から確執が噂されており、ラッド氏が首相への返り咲きを狙っているという報道が出ていた。直接のきっかけは、ギラード氏に対する支持率の低迷で、このままの状態では9月の総選挙で敗北する可能性が濃厚となっていた。
 労働党としては、国民からの人気が高いラッド氏を党首に据えることで、次の選挙を乗り切りたい構えだ。ギラード氏は党首選に先立ち、敗者は「政界から去るべきだ」と述べていたが、自身が引退を迫られる状況に追い込まれてしまった。

 現在の世論調査では、野党自由党の支持率が与党労働党よりも10%近く上回っている。ラッド氏は人気があるとはいえ、総選挙までに不利な情勢を逆転できるかは不透明だ。

 日本にとっては、次の総選挙でどちらが政権与党になるのかによって、外交・安全保障の状況が大きく変わってくる。オーストラリアは中国系移民が急増しているほか、対中貿易が日本を上回り、中国が最大の関心事となっている。労働党政権に変わってから、オーストラリアは中国重視の政策に転換するとともに、捕鯨問題では日本に対してかなり敵対的なスタンスを取っている。ギラード政権では、中国の軍事力台頭を歓迎する国防白書が公開され大きな話題となった(本誌記事「豪が中国の台頭を歓迎する国防白書を発表。安倍政権の世界観と真っ向から対立」参照)。
 ラッド氏も中国語がペラペラだが、中国の台頭には一定の警戒感を示しており、ギラード氏よりは従来の路線に近いといわれる。だが労働党政権が継続するのであれば、首相が誰であれ大きな方向性に変化はないだろう。

 一方、野党自由党のアボット党首は対中強硬派といわれており、日本との関係を重視している。アジア太平洋地域において中国封じ込め政策を実施したい安倍政権としては自由党政権の方が望ましいところだろう。ただアボット党首は捕鯨問題についてはかなりの強硬派といわれており、日本との友好関係を重視したとしても、この問題でオーストラリアが譲歩する可能性は少ない。

 - 政治 , , ,

  関連記事

tusruga
敦賀原発の活断層の解釈をめぐって不服申請。活断層の解釈はもはや「言葉遊び」

 日本原子力発電(日本原電)は7月16日、原子力規制委員会に対して行政不服審査法 …

no image
パネッタ米国防長官が来日。主要な議題はオスプレイではない

 米国のパネッタ国防長官が来日している。各メディアは、新型輸送機オスプレイの普天 …

zaiseishuusi
政府が財政収支の試算を公表。2020年度PB黒字化は達成困難に

 政府は2014年7月25日、「中長期の経済財政に関する試算」を公表した。日本政 …

abeamari
産業競争力会議がテーマ別会合をスタート。雇用流動化や企業再編は実現できるのか?

 政府の産業競争力会議3月6日、テーマ別会合の議論をスタートした。この日は「人材 …

iijima
飯島参与の訪朝を受け入れた北朝鮮の窮状。朝鮮総連ビル落札問題も影響か?

 北朝鮮は5月18日から20日までの3日間で計6発の短距離ミサイルを発射した。い …

kyameroneu
EUは英国離脱回避のため妥協。だが国民投票はどう転ぶか分からない

 EU(欧州連合)は2016年2月19日、ブリュッセルで首脳会議を行い、英国のキ …

abesanin
再び日銀法改正を持ち出す強気の首相。一部からはインフレ後を心配する声も

 国会において2012年度補正予算の審議が本格化したことをうけて、アベノミクスに …

honkon
中国当局が香港の自治に関する白書を発表。中国による統治の正当性を強調

 中国国務院報道弁公室は2014年6月10日、香港の自治に関する白書を発表した。 …

kaiho
ODAを使った新造巡視船のベトナム供与。場合によっては本末転倒にも

 政府は、中国と領有権争いをしているベトナムに対して、ODA(政府開発援助)を使 …

chinacompany
経済援助型から企業M&Aへと変貌する中国の直接投資。日本はどう付き合う?

 これまで香港経由や途上国に偏重していた中国の直接投資が大きく変わろうとしている …