ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

EUの失業率が過去最悪で若年層対策に1兆円投入。日本での関心は低いまま

 

 EU(欧州連合)首脳会議は6月27日、若年層の失業対策に2年で総額80億ユーロを投じることについて合意した。当初60億ユーロといわれていたが、最新の失業率が過去最悪水準で推移するという深刻な状況を考慮し20億ユーロ増額となった。

 欧州は景気低迷が長期化していることから、失業率の高止まりが大きな社会問題となっている。とりわけ若年層の失業率は壊滅的な水準といってよい。
 2013年5月時点におけるEU27カ国における若年層の平均失業率は23.0%だが、ギリシャ(同59.2%)、スペイン(56.5%)、ポルトガル(42.1%)など経済危機となった地域はより深刻な状況となっている。一部では底を打った兆候も見られるが、さらに悪化しているところもある。
 主要国ではドイツだけが例外で7.6%と低い数字だが、フランスは24.6%、英国も20.2%とかなり高い状況が続いている。

  若年層の失業者は欧州全体で600万人程度いるといわれており、1兆円といっても単純に平均すると1人あたり年間8万円程度にしかならない。エコノミストの多くは目立った成果を上げることはできないとの見方を示している。EUでは失業率が高い地域に優先配分することで、効果を上げたいとしている。

 日本の若年層の失業率は7.1%と欧州と比較すれば低い数値になっている。だが日本の失業率の計算は、失業者の認定基準などで条件の違いがあり、実際の失業率より低く計算されている可能性がある。すでに欧州の主要国並みの水準に達しているともいわれており、現実の生活感覚もそれに近い。一方、日本の若年層失業対策は体系的なものが存在せず、かなり場当たり的であるというのが実情だ。

 若年層の失業問題は単に景気循環的なものではなく、構造的な問題である。景気が回復したからといって若年層の失業問題は容易に解決しない可能性が高い。順調な景気回復を見せている米国ですら、若年層の相対的な失業率の高さは改善できていないのだ。
 現在の日本はデフレからの脱却に手一杯で、若年層の失業問題に対する関心が極めて低い。だが、仮にアベノミクスが功を奏し、景気が回復軌道に乗ってきた場合、この問題が解決できていないと、その後の経済成長の足かせになってしまう可能性がある。

 若年層の失業対策は、最終的には正規雇用されている中高年層との利害対立になるため、どの政権も及び腰であった。参院選後の成長戦略にこの視点がどの程度盛り込まれるのか要注目といえる。

 - 政治, 社会, 経済 , , ,

  関連記事

obamakurisuti00
オバマ大統領がハリケーン対応で天敵クリスティ知事と協力。ロムニー候補には不利に

 熱烈なロムニー支持で、オバマ大統領を手厳しく批判してきたニュージャージー州のク …

abekaisan20141119
まるで民主党の政策?緊急経済対策は商品券など直接支援が中心

 安倍首相は2014年11月18日、消費増税の先送りと衆議院の解散を発表すると同 …

usakoyoutoukei201501
日本の製造業に朗報。米雇用統計は絶好調で6月利上げはオンスケジュールか?

 米労働省は2015年2月6日、1月の雇用統計を発表した。雇用者数の増加は市場予 …

f35c
武器輸出三原則の緩和に踏み切らせた、日米防衛産業の苦しい経営事情

 政府は航空自衛隊の次期主力戦闘機F35について、武器輸出三原則の例外扱いとし、 …

bananki
本当ならまさに「ヤリ逃げ」。バーナンキ議長続投せずという驚愕報道

 米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が、続投しない可能性が出てきた。 …

orinpic
日本政府の借金1000兆円は、1964年の東京オリンピック開催が発端だった?

 2020年のオリンピック開催地を決定するIOC総会が間もなくアルゼンチンで開催 …

b3837
中国機がとうとう領空侵犯。領海侵入と領空侵犯は根本的に意味が違う!

 中国国家海洋局の航空機1機が13日、尖閣諸島南約15キロの日本の領空を侵犯し、 …

ciafurin
さらに混乱するCIA不倫問題。政治謀略か?軍人に群がる肉食系女子の争いか?

 米国CIA長官の不倫疑惑がワケの分からない展開になってきた。ペトレアスCIA長 …

hakukirai
中国最大の汚職事件の中心人物、薄熙来氏が起訴。だがせいぜい禁固刑との噂

 かつて中国、重慶市のトップとして君臨し、政治局常務委員入りが確実といわれながら …

fbi
ボストン爆破テロ事件でFBIが新捜査手法。スマホ画像の提供を広く市民に呼び掛け

 米連邦捜査局(FBI)は4月18日、ボストン・マラソンのゴール付近で起きた連続 …