ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

米国が友好国も盗聴していたという事実に欧州各国が反発。だがこれは諸刃の剣でもある

 

 米国家安全保障局(NSA)による監視問題で、英ガーディアン紙は6月30日、元CIA職員エドワード・スノーデン氏からの情報として、米国が友好国を含む38の在米大使館や代表部の通信を盗聴していたと報じた(写真はNSA本部)。

 対象となった大使館は日本など友好国を多数含んでおり、EU代表部も標的となっていた。欧州各国はこれに強く反発しており、場合によっては国際問題に発展する可能性も出てきている。

 だがこれに対する米国の反応は冷淡だ。オバマ大統領は実態を調査するとしたものの、諜報活動そのものについては、当然の行為であるとの姿勢を明確にしている。メディア各紙も諜報活動は昔から行われていたことであるとして、ほとんど関心を寄せていない。

 実際、友好国どうしであっても、互いに一定程度の諜報活動を実施するのは公然の秘密となっている。外交交渉が行われる際に、盗聴が実施されていることは関係者であれば誰もが知っている事実だ。それにも関わらず、欧州がことさらにこれを強調するのは、スノーデン事件をきっかけにしたひとつの外交的な駆け引きということになる。
 だがこうした駆け引きは諸刃の剣でもある。諜報活動を行っているのは、当然、米国だけではないからだ。欧州各国の諜報機関の中から、スノーデン氏のような人物が現れれば、今度は火の粉が自身にも降りかかってくることになる。

 また欧州の反応にはもう少し別な側面もある。大使館など在外公館の盗聴が発覚する事件はこれまでもしばしば起こっている。だが今回の事件が少々趣を異にしているのは、IT技術の進歩によって広範囲な国民監視と相手国関係者に対する諜報活動に境目がなくなっていることである。
 米国の諜報活動に対する欧州における反発の背景には、市民に対する広範囲な監視への反発がある。最終的には米国政府だけではなく自国政府に対する疑心暗鬼にもつながってくる問題であり、欧州各国が米国批判に躍起になっているのは、自国民の関心を米国に向けさせる狙いもあると考えられる。

 - 政治 , , , ,

  関連記事

jiminzeiseikaisei201412
税制改正大綱が決定。注目点は法人減税と高齢者から子や孫への資産移転

 自民、公明両党は2014年12月30日、2015年度税制改正大綱を決定した。焦 …

kokumusho02
靖国参拝に対する米国の声明。問題解決を内容の解釈に求めるのは危険だ

 安倍首相の靖国参拝に対して、米国政府が異例の声明を発表してから約10日が経過し …

hagel
ヘーゲル国防長官がようやく就任。新しい米国の世界戦略で在日米軍がいなくなる?

 米上院は26日の本会議で、ヘーゲル元上院議員の国防長官への就任をようやく承認し …

runesasu002
従業員はゴミ?母体3社と産業革新機構でルネサス従業員を押し付け合い

 半導体大手ルネサスエレクトロニクスの経営再建をめぐって、外資ファンドを押しのけ …

takemi
有権者も世代交代?自民党のサラブレット武見敬三氏が山本太郎氏相手に苦戦のワケ

 盛り上がりに欠けた参院選は事前の予想通り、自民党の圧勝となった。衆議院で過半数 …

lenovo
米国政府が中国製ITシステムの調達を制限。ただし完全な実施は困難との見方

 米国で中国製ITシステムの政府調達を制限する法律が成立した。3月26日に成立し …

obamafujinchina
ミシェル・オバマ大統領婦人が、わざわざ単独で中国を訪問した理由

 米中の外交が活発化してきている。2014年2月にはケリー国務長官が中国を訪問、 …

coal
迷走が続く日本のエネルギー政策。結局は石炭火力という国際標準に落ち着くのか?

 迷走していた日本のエネルギー政策にひとつの方向性が見え始めている。一旦は縮小さ …

abe20141021b
消費低迷で高まる増税先送り論。だが現実には決断は困難?

 消費の低迷が顕著になってきたことから、消費税の10%増税に反対する声が高まって …

sen15 00
過労?プレッシャー?中国空母艦載機の開発責任者が着艦成功直後に心臓発作で急死

 中国初の空母「遼寧」の艦載機開発プロジェクトの総責任者が、発の発着艦訓練に成功 …