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中国のPMIが低下するも、当局はハードランディング覚悟で対策は取らず

 

 中国国家統計局は7月1日、6月の製造業購買担当者景気指数(PMI)を発表した。それによると同指数は前月から0.7ポイント低下して50.1となり、景況感の節目となる50をわずかに上回る水準にとどまった。また同日にはHSBC(香港上海銀行)が算定するPMIの改定値も発表されたが、こちららは48.2と50を下回っている。
 中国当局は、成長鈍化という事態になっても、国内の市場改革を断行する構えで、目立った景気対策は実施しない公算が高い。中国経済は今後、ある程度の混乱が発生することも予想される。

 PMIをはじめとする中国の経済指標は、米国など先進国の指標と比較すると信頼性に欠けるといわれている。ただ、他の指標との関係性や相対値を見ることである程度の正確性は担保することができる。
 中国は積極的なインフラ建設はすでに行っておらず、製造業の生産活動は主要な輸出先である米国との連動性が高まっている。中国のPMIは数値のブレは少ないものの、全体的なトレンドとしては、米国のISM製造業景気指数との連動性が高い。

 同日に発表された米国の6月のISM指数は50台を回復しているが、回復のペースは依然として遅い。中国のPMIもそろそろ下げ止まる可能性もあるが、多くの企業が在庫を増やしておらず、場合によっては来月以降、さらに数値が低下することも考えられる。

 だが、重要なのはPMIの低下よりも、これに対する中国当局の姿勢である。当局は多少の混乱が生じても、行き過ぎた投機の抑制を優先したい考えだ。先月まで中国のメディアはPMIの低下について「中国経済が成熟国家型へ順調に移行している証拠である」というトーンで報道していたが、今月からは一斉に「先行きが不透明」という内容に切り替わっている。中国はバブル的なこれまでの経済運営をハードランディングで乗り切る構えである。

 中国は荒療治によってこれまでの膿を出し切り、新しい成長フェーズに素早く移行できるのか、それとも株価の大暴落などを伴う大きな混乱を引き起こしてしまうのか、重要な分岐点に差し掛かっている。当分の間、中国経済に対しては神経質にならざるを得ないだろう。

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