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楽天が投資判断を引き下げたアナリスト・レポートに対して異例の批判

 

 楽天は7月2日、同社に対する投資判断を引き下げた三菱UFJモルガン・スタンレー証券のアナリスト・レポートについて内容を厳しく批判する文書を公開した。同レポートを執筆した荒木正人シニアアナリストの名前を具体的に挙げ「投資家はこのレポートを参考にしないようお勧めします」とまで書かれている。かなり攻撃的、感情的な内容であり、証券市場では大きな波紋を呼んでいる。

 問題のレポートは荒木アナリストが6月21日に発表したもの。楽天の投資判断をニュートラルからアンダーパフォームに引き下げている。
 楽天では同氏のレポートについて、事業別の利益分析が不十分であること、業績予想に用いられた実効税率の根拠が不十分であること、株主価値の算定方法が不適切であることの3つを問題視している。
 楽天と荒木氏は面談を行い、荒木氏は一部の修正には応じたものの、最終的な評価結果は変更しなかった。楽天はこれに激しく反発し、今回の文書公表に至った。楽天は今後、荒木氏の取材は一切受けないとしている。

 アナリストレポートの内容をめぐって企業側と証券会社でトラブルとなることはしばしばある。だが今回のケースは、企業側がレポートの内容を批判しただけではなく、投資家に対してレポートを参考にしないよう呼びかけるなど、楽天の感情的なスタンスが際立っている。

 事業別の分析を求める楽天側の主張も理解できなくはないが、事業別の詳細な分析ができるほどの十分な情報開示を楽天が行っているのか、これまでの開示資料を見る限りは少々疑問だ。
 また見解の相違はあるにしても、投資家に対して参考にすべきでないとまで言い切るのは明らかに行き過ぎている。証券会社のレポートは証券会社の顧客に対して提供するものであって、その内容が信頼に足るのかどうかは、投資家が判断すべきものだからだ。
 アナリストレポートの中には確かに首をかしげたくなるような杜撰な内容のものもある。だが投資家も無能ではない。アナリストが信用できないレポートを書き続けていれば、いずれ投資家はそのアナリストを信用しなくなるはずである。

 楽天はわざわざ株式市場に上場し不特定多数に自社の経営権(株式)を販売しているのである。自社の意向とは異なる見解が出ることはある程度受け入れる必要があるだろう。
 上場会社側が気に入らないアナリストを一方的に出入り禁止にし、その内容を否定するコメントを出すという行為が既成事実になってしまうと、市場にはマイナスの影響となる可能性が高い。楽天はそうではないのかもしれないが、理論的には会社側の意向に沿わないレポートをすべて排除することが可能になってしまうからである。

 アナリストがどんなファイナンス理論を用いて、企業側がそれをどう評価するにせよ、アナリストの予想はあくまで予想であり、現時点でどちらが正しいのかを判断することはできない。楽天が自社の主張が正しいことを証明するためには、次年度以降もめざましい成長を持続する以外に方法はないだろう。

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