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中国鉄道省元トップに執行猶予付きの死刑判決。事実上の減刑に国民からは批判の声

 

 中国最大の利権官庁であり汚職の温床ともいわれてきた鉄道省の元トップに対する汚職事件の判決が7月8日行われた。収賄罪などに問われていた元鉄道相の劉志軍被告に対し、北京の地方裁判所は、執行猶予2年の付いた死刑判決を言い渡した。劉被告は控訴しない方針。

 劉被告は、鉄道省の幹部や大臣に就任していた1986年から2011年までの25年間に、工事の受注や人事などで便宜を図った見返りとして、実業家などから総額10億円の賄賂を受け取っていたとされる。
 劉被告は罪状をすべて認めており、受け取った賄賂もすでに返却している。このことが考慮され、執行猶予付きの死刑判決となった。劉被告は2年間模範囚として過ごすことができれば、死刑を免除され、終身刑に減刑になるという。

 劉被告に対する裁判は、スタートからわずか1カ月のスピード判決となっており、腐敗撲滅を掲げる習近平政権の姿勢を象徴したものと理解されている。汚職などの疑いで失脚した重慶市元トップ、薄煕来氏の公判も近く始まるとの観測も出ている。
 ただ中国国内では、事実上の死刑免除になった事に対する不満の声は大きく、今回の裁判において、腐敗撲滅のスタンスがどの程度国民にアピールしたのかは不透明だ。中国のネットでは、劉被告は刑務所で特別待遇となり、比較的快適な生活を送れるとの話も流布している。

 劉被告が減刑になった背景には、鉄道省利権のドンといわれる江沢民元主席の存在があるといわれている。すでに政界を引退している江沢民氏の影響力は最近急激に低下しているといわれるが、習近平政権を支える勢力の一つであることに変わりはない。劉被告の特別待遇に関する実態は不明だが、幹部の特権に対する国民の疑心暗鬼には根深いものがあるようだ。

 劉被告は19歳で臨時雇いの保線作業員として鉄道マン人生をスタートさせ、50歳にして職員210万人を抱える中国最大官庁のトップに上り詰めた立志伝中の人物。鉄道相時代には高速鉄道網の建設をリードし、一時は中国国内で絶大な権力を保持していた。劉被告が鉄道相を退任してからは、鉄道省の腐敗体質が厳しく追及され、2013年3月の全人代で正式に解体が決定している(本誌記事「中国鉄道省の解体は日本の国鉄民営化と同じ。高度成長の終了を意味している」参照)。

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