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TPPも骨抜き?米欧FTAの交渉がいよいよスタート。米欧は妥結にかなり前向き

 

 米国と欧州の自由貿易協定である米欧FTAに関する第一回の交渉が7月8日、米国ワシントンで始まった。米国の情報機関による盗聴疑惑からフランスが延期を求めていたが、予定通り交渉がスタートした。米国と欧州連合(EU)は今年2月、自由貿易協定(FTA)の交渉開始について合意に達しており、今回の交渉開始はその合意を受けたもの。今後は交渉の実務作業が本格化することになる。

 米国と欧州のFTAが実現すると、世界経済のほぼ半分、世界貿易の約3割を占める巨大自由貿易圏が誕生することになる。米欧で締結された協定は世界貿易のスタンダードになることは確実であり、TPPを含む、他の自由貿易協定はあまり意味をなさなくなる可能性が高い。

 現在、米国と欧州の間における平均的な関税率は4%とそれほど高い水準ではない。
 農産物や自動車など一部で高関税が維持されている分野もあるが、米欧FTAが締結されても、EUのGDPは年0.5ポイント、米国のGDPは0.4ポイント程度しか押し上げ効果はないといわれている。
 だが重要なのは関税の額ではなく、市場の規制や製品規格などルール作りの分野で国際的なスタンダードが出来上がることである。

 米欧間で締結された規格はそのまま国際標準となる可能性が高い。日本など第三国の規格は採用されず世界市場から締め出させるリスクがある。長い目で見ると、各国の競争力に大きな影響を与えることになる。
 EUと米国は交渉の妥結にかなり前向きであり、2年をメドに交渉をまとめたい意向だ。日本では現在、TPPの条件をめぐって激論となっているが、米欧FTAが締結されてしまうと、TPPでの議論もあまり意味をなさなくなってしまう。
 米欧FTAは日本にとっては当事者ではないので、影響力を行使することができない。少なくとも、交渉内容の進展について情報収集を行い、製品規格の分野でどのような影響があるのか、早い段階での分析と対策が必要となるだろう。

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