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中国経済への自信?それとも強権発動覚悟?中国指導部の強硬姿勢がより鮮明に

 

 中国国営の新華社通信は7月7日、中国財政部(財政省)が緊縮財政措置の一環として中央政府各機関に対し、今年の歳出を5%削減するよう要請したと報じた。
 中国では景気失速が懸念されており、一部では金融機関が資金ショートを起こしている。だが、当局は多少の混乱があっても投機の抑制を優先する方針とみられ、抜本的な対策はほとんど実施していない。今回、大規模な経費削減を指示したことで、ハードランディングも厭わない当局の姿勢がさらに鮮明になったといえる。

 財政部では、歳出削減の対象として、政府庁舎の建設、会議、出張、自動車、レセプションなど多岐にわたる分野を列挙している。ただ、政府支出全体に対して一律5%を削減するのか、対象が部分的なものにとどまるのかは不明だ。
 中国の政府予算は約7兆元(約116兆円)なので、単純計算で5%を削減すると、5.8兆円の削減となる。中国のGDPは約820兆円なのでGDPの0.7%分がなくなる計算だ。

 中国の新指導部がバブル崩壊のリスクがあるにも関わらず、投機抑制に力を入れるのは、土地投機といったバブル的な経済活動と特権階級の腐敗が密接に結びついているからである。
 共産党幹部に対する国民の不満は高まってきており、この問題を解決することは、景気対策よりもはるかに重要性が高いと認識されている。
 中国には「政治第一」という言葉があり、共産党の指導部には、あらゆる問題において政治が優先するという概念が存在している。かつて毛沢東が主導した文化大革命は、中国全土で数百万人の死者を出し、経済を完全に破壊してしまうようなものだったが、何の躊躇もなく遂行された。

 市場では、中国がハードランディングとなり、大混乱となることを危惧しているが、中国の指導部は、市場関係者が憂慮するほど、経済的な混乱について気にしていないようである。指導部は、内需を中心とした中国経済の回復に強い自信を持っているのか、それとも最悪の事態には党が強権発動することで混乱を収束できると判断しているのか、市場関係者はその真意を測りかねている。

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